博報賞

活動タイトル

子どもたちの可能性を信じることから見えてきた特別支援教育の展望

松本 恭子 (吉田町立吉田中学校 教諭)

特別支援教育|奨励賞| キーワード:静岡県
松本 恭子 (吉田町立吉田中学校 教諭)

活動内容

地域の特別支援教育をリードする発信力の高い教育実践

小学校の通常の学級の担任としてキャリアを重ねつつ知的障がい、自閉症・情緒障害特別支援学級の担任として、ことばや表現に自信をもちにくい特別な支援を必要とする児童に高い教育成果を挙げてきた。さらに、特別支援教育コーディネーターとして一人ひとりのよさ・可能性を大事にした学校づくりに取り組んだ。その結果、支援を必要とする児童を含めて学習や活動への参加が向上するとともに、通常の学級や特別支援学級を超えて児童のつながりが高められた。加えて、特別支援学級の授業づくりに興味をもつ教員の輪が広がるという効果ももたらされている。教育実践の場は中学校へと広がり、発達通級指導教室を担当しながら特別支援教育コーディネーターとして子どもたちが主人公となる学校づくりに取り組むとともに、令和2年度からは「榛原地区特別支援教育ガイドブック作成委員会」の中心的なメンバーとして榛原地区全体の特別支援教育の推進に貢献している。
松本氏は、地区において特別支援教育研究部長等の役割を担い、県や全国の教育研究大会で「特別支援教育コーディネーターの役割」「中学校における発達通級指導教室の取り組み」等の実践報告を行い教育成果の発信に努めている。奨励賞の受賞は、松本氏の実践をさらに発展させるとともに後進のロールモデルとなる。
【写真】
文脈を読み取る力をつける特別支援学級の授業づくり

審査委員より

教科指導から校内支援、地域支援まで高い教育実践を支える地道な取り組み方を評価したい。松本氏が作成した報告書は、自閉症・情緒障害特別支援学級の国語実践から榛原地区特別支援教育ガイドブック作成まで多岐にわたる。自らの教育実践を丁寧に振り返り、言語化していく研究作業は高い教育実践には不可欠であるが、簡単に取り組めることではない。報告書に添えられた多くの挿絵は自らの気づきを高め、教育実践を関係者で共有し共に取り組んでいくために努力した結果と言える。教育実践家が手本としたい取り組み方である。

プロフィール

松本 恭子

【所属先役職】
吉田町立吉田中学校 教諭

【活動開始時期】
2016年

【団体所在地】
静岡県榛原郡吉田町

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体1~6名(小学生相当 支援級6名、中学生相当 通級各1名)
○指導者:内部1名
○協力者(ボランティア等):15名
○開催ペースやクラス数:支援学級、通級指導(各週1時間)