博報賞

活動タイトル

「創立150周年記念『奉納相撲』」を通した地域文化の継承について

栄町立布鎌小学校

日本文化・ふるさと共創教育|奨励賞| キーワード:千葉県
栄町立布鎌小学校

活動内容

奉納相撲がもたらす子どもたちの心身の成長

布鎌小学校が位置する布鎌地区は、3つの川に囲まれた中州で、利根川の増水により水没する場所である。水害を防ぐ「水神様」と言われる水神社を集めた「布鎌惣社水神社」が宝暦7年(1757年)に創建され、この頃土手を固める慣わしにちなんだ子ども相撲、奉納相撲が始まったと推定されている。布鎌小学校は明治6年の学校創立以来、148年の長きにわたり、この奉納相撲を担ってきた。
教育課程上「特別活動」の学校行事として相撲大会を開催し、体育の時間に地域の古老を招いて、四股、塵手水、手刀等の相撲の作法を指導してもらっている。大相撲の力士を招いてぶつかり稽古をしてもらう機会もある。水神社の支援により「まわし」や「簡易まわし」が寄贈され、本格的な取り組みにつながっている。現在は男子だけでなく、女子も土俵にあがり、1年生から3年生は男女混合の対戦、4年生以上は男女別の対戦としている。相撲は格闘技の一種であり、体ごとぶつかり合うことから、いじめなどの感情がなくなり、また互いを認め合う気持ちが育っている。長期欠席の児童もいない。
布鎌地区の自治会の役員が水神社理事として参加することから、地域が学校を支え、共に地区の安寧と子どもたちの成長を願う体制が整っている。

【写真】
布鎌惣社水神社 秋の大祭での相撲大会の様子

審査委員より

利根川等の3つの川に囲まれた立地から、決壊を防ぐ土手を固める慣わしに因む子ども相撲が地域行事、学校行事として伝承されている。教育課程上「特別活動」の学校行事として「相撲大会」が開催され、各学年体育の年間指導計画に相撲を位置づけている。地域の古老に作法を習うことで、体ごとぶつかる良さが体得され、長期欠席の児童がいないこと、いじめの発生件数の少なさ、につながっていると考えられる。同校のように相撲を取り上げる価値はもっと発信されてもよい。身体的、精神的な価値双方について、今後エビデンスを積み重ねられるとよい。

プロフィール

栄町立布鎌小学校

【代表者】
寺内 勝也

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1873年

【団体所在地】
千葉県印旛郡栄町

【HP】
https://fukama-es.town-sakae.ed.jp

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:72名(小学生72名)
○指導者数:内部21名、外部10名
○協力者数(ボランティア等):10名
○開催ペースやクラス数:年1回、全学級(通常6学級、特別支援2学級)