博報賞

活動タイトル

地域の伝統を受け継ぎ未来へつなぐ ~川名津子ども神楽を通して~

八幡浜市立川上小学校

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:愛媛県
八幡浜市立川上小学校

活動内容

学校と地域社会が課題解決に向けた協働的取り組み― 地域の伝統文化・子ども神楽

八幡浜市川上地区では、地域産業や文化の担い手育成のため、神楽保存会を立ち上げた。川名津柱松神事が平成12年4月に「愛媛県無形民俗文化財」に指定されると、本校は子どもの健全育成を目指し教育活動の柱として、神楽保存会に協力を依頼し、子ども神楽を学びの教材として取り入れることになった。以降は学校が神楽保存会と共に手を取り、地域課題を解決するために持続可能な社会のつくり手を目指した取り組みをしている。
代表的な活動が、子ども神楽である。5・6年生の児童が7月に開催されるひびき集会で、保存会から学んだ神楽を実演する。集会までに、自分たちで神楽や神話等について調べ学習を進め、分かったことを発表する。また保存会の方に説明していただき、文化・伝統を学ぶ。さらに、神楽の練習を積み、楽器や衣装等の準備をする。当日は保護者や地域の方々を招き、自分たちの学習成果等の発表と保存会の方に川名津神楽を実演してもらう。秋から春にかけて地域の催し物に参加して神楽を披露する。これにより地域の方々との交流も深まり、他地域で神楽の啓発活動にもつながった。平成16年から代々受け継がれてきた取り組みは、新たな伝統の一部となっている。「自分たちもしてもらったから」という地域の方のことばは、子ども神楽を通した地域の伝統を伝える大人と、伝統を受け継ぐ子どもたちとの深い絆の証でもある。

【写真】
7月のひびき集会で演目「大蛇退治」を披露

審査委員より

平成16年に学校側が神楽保存会に協力を依頼し、川名津子ども神楽の学びを教育課程に取り入れてきた。ひびき集会を目標に、総合的な学習の時間を中心に学びを深め、神楽保存会の方の指導を受けて、5・6年生が神楽の練習を積み重ねる。この発表を見た低学年の児童は先輩の姿を目標にする。高学年は学びを地域の行事へ参加する形で発表し、地域との連携を深めていく。17年間という時間の経過は教職員の異動や教育環境の変化により教育の質の保証が問われる時代に、地域と連携しながらふるさとの伝統文化を自校の独自の学びとして確立してきたところに高い評価をおく。

プロフィール

八幡浜市立川上小学校

【代表者】
河野 文俊

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2004年

【団体所在地】
愛媛県八幡浜市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:11名(小学生10名)
○指導者数:3名
○協力者数(ボランティア等):10名
○クラス数:3