博報賞

活動タイトル

人を大切にし、自分も大切にする学習の創造

丸亀市立城北小学校

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:香川県
丸亀市立城北小学校

活動内容

「地域の『人・物・こと』と関わる体験の充実」と「人との関わり方を知る」両輪の学び

校区に多様な人々が暮らす本校では、誰をも受容し、相手を考えながら行動する人権感覚を醸成する「人を大切にする学習」を、22年にわたり実践している。人権・同和教育の視点に基づいて、校区にある「人を大切にする『人・物・こと』」を6年間系統的に学ぶ「地域学習」を土台に、2005年からは、人とよりよく関わるためのスキルを学ぶ「心を育てるプログラム」を導入。この二つの取り組みを両輪に「人を大切にする学習」を実践している。
「心を育てるプログラム」は、「相手の感情を確認する」「人間関係をうまく処理する」など5つの視点から成り、発達段階に合わせて毎年学ぶ他、概要を分かりやすく掲示したコーナーを常設し、日常的に触れる中で自然とスキルや意識が根づく工夫もしている。学びは、生活場面はもちろん「地域学習」で活かされ、質問やインタビュー、施設との交流、アイマスクや車いす体験など「人・物・こと」と実際に関わる中で、相手を尊重する態度の育成につなげている。
実践を通して定着した「人を大切にすること」は、学校全体の共通の価値観として、感情を前向きにコントロールする力の育みだけでなく、結果として「自分も大切にする」ことにもつながっている。子どもたちの成長は、保護者や地域の意識変容も促している。

【写真】
「心を育てるプログラム」の常設掲示を見て触れる児童

審査委員より

人権・同和教育を、「~しない」という禁止の視点ではなく、「人を大切にする教育」という視点で捉え直した点、さらには「人を大切にすることは、自分を大切にすることにつながる」ことを子どもたちと共有した点が素晴らしい。日常の学校生活の中で、終始一貫して「人を大切にする」ことを子どもに伝え続けた結果、友だちへの乱暴な言葉づかいが減り、相手に寄り添うコミュニケーションが生まれ、結果として子どもたちの自尊感情が有意に高まったという事実は、形骸化しやすい「〇〇教育」の枠を超えて、教育の本質がここにあることを強く物語っている。

プロフィール

丸亀市立城北小学校

【代表者】
小川 忠司

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1999年

【団体所在地】
香川県丸亀市

【HP】
http://www.johoku-e.mei.ed.jp

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体233名、学年ごとに実施する場合約30~55名
○指導者数:内部...全体26名、1回当たりの平均指導者数2~3名 外部...1回当たりの平均指導者数2~3名
○協力者数(地域支援ボランティア):令和3年6月現在の登録者数36名、1回当たりの平均協力者数2~4名
○開催ペース:1年生(12時間)、2年生(43時間)、3~5年生(70時間)、6年生(58時間)※「心を育てるプログラム」は、各学年、年間5時間