博報賞

活動タイトル

「習う」から「学ぶ」へ 児童主体の「花岡チャレンジ活動」

大館市立花岡小学校

教育活性化部門|-| キーワード:子どもが主となって進める授業・活動の実践秋田県
大館市立花岡小学校

活動内容

徹底した主体的活動を通して、失敗や試行錯誤を恐れない「課題対応能力」を育成する

「花岡チャレンジ活動」は、大館市立の小・中学校(25校)がそれぞれ地域の特色を活かして実施している「ふるさとキャリア教育」の一つである。「課題対応能力の育成」に焦点を絞り、全教育活動において徹底した児童の主体的活動を展開。探究型授業を進化させた「児童主体のチャレンジ授業・ベーシック授業」を開発し、試行錯誤しながら日々改善を重ねている。この授業形態は「主体的・対話的で深い学びに至る授業」の先駆的実践であり、その実効性を立証する試みでもある。
授業は、学び合いに主眼を置く「チャレンジ授業」と、基礎・基本の徹底に主眼を置く「ベーシック授業」を3:7程度に組み合わせ、1単元を構成。チャレンジ授業では、教師が学習問題を提示したあと、児童が学習課題を設定し、グループに分かれて相談したり、一人で考えたり、それぞれの主体性と学習スタイルにより自力で解決策を探る。教師はできるだけ介入しないが、全体を視野に入れて授業を進めようとする児童や、タイムキーパー役をする児童が出てくるので、授業は一本の線になって進行していく。このような授業により、従来の授業と比べ、課題対応力・思考力・協働力を育てる時間をしっかり確保できるようになった。
ベーシック授業では、教師が授業前半で教えるべき内容を楽しく教え、授業後半では学習内容の習熟として練習課題に取り組ませ、基礎・基本の習得の徹底をめざす。その際には習熟度や学習スピードに応じて自分で正誤を確認しながら進める設定にしているので、教師は遅れがちな児童に対応することができ、「一人たりとも置き去りにしない」学習を実現している。
また、地域での花植えや清掃活動、運動会などで披露する「よさこいソーラン」などの特別活動においても、児童が自分たちで企画・立案して取り組んでおり、授業を通して培っている主体的活動、課題対応能力、協働力等を具体の場で活用させ、「生きる力」へと深化させる機会へと位置づけている。

【写真】
台形の面積の求め方を自分たちで比較・検討(算数のチャレンジ授業)

審査委員より

「花小チャレンジ授業」は、子ども主体の学びの姿を目指している。知識・技能の習得を目指す「ベーシック授業」と互いに学び合う「チャレンジ授業」で構成される。こうした取組は、単元を見通す中で「主体的・対話的で深い学び」をバランスよく実現しようとする新学習指導要領の考えを先取りしたものとも言える。また、授業における主体的な姿を、全校で行う様々な活動にも広げている。一人ひとりの子どもの主体性を存分に発揮できるようにすることで、自立した未来の大館市民の育成に取り組んでいる。

プロフィール

秋田県 大館市立花岡小学校(おおだてしりつはなおかしょうがっこう)

【代表者】
花岡 郁男(はなおか いくお)

【役 職】
校長

【創立】
1874年

【勤務校所在地】
〒 017-0005秋田県大館市花岡町字根井下22
TEL: (0186)-46-1615  FAX:(0186)-46-1614
E-mail:hanaoka@oodate.or.jp
HP URL:http://www.oodate.or.jp/school/hanaoka/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童・生徒数:81名 ○クラス数:8 (通常6 特別支援2) ○指導者数:12名