博報賞

活動タイトル

図書館活用を中心とした情報リテラシー教育の全町展開

東出雲町学校図書館担当者会

国語・日本語教育部門|-| キーワード:島根県
東出雲町学校図書館担当者会

活動内容

町のめざす「ふるさとを愛し、心ゆたかで、たくましく生きる子どもの育成」を目標に、学校図書館を「読書・資料センター」「学習・情報センター」として学校で位置づけ、「情報リテラシー」を基軸とした教育を展開している。また、全校に常勤の学校司書を配置して実績をあげた、島根県内で唯一の自治体である。
 会は、2003年度に、学校間の情報交換及び学校図書館からの要望を伝える場として発足し、各校図書館の環境整備や図書館の電算化も実現してきた。環境整備を一応終えた次の課題は、図書館活用で「中学校の調べる活動で、資料探しに時間がかかり過ぎ、情報収集の場面の入口でつまずいている」という現状があがった。そこで、解決策として、町は2006年度に学校司書の全校配置を実現し、会では小中9年間でスキルを段階的に積み上げていくための「東出雲版 情報・メディアを活用する学び方の指導体系表」を作成した。また、「2007年度版 必読書」リストを作成し、すべての活動の基礎となる読書活動にも力を入れることにした。2007年度は、各校で学年ごとに図書館利用「年間計画」を立て、授業を展開しながら、町内4校すべての教職員が図書館を活用した授業を実践することをめざして取り組んだ。読書・資料センターとして、また学習・情報センターとしての機能を果たすため、読書活動での「必読書リスト」の活用や、調べる学習活動での「ウェブ図」「情報カード」の活用など、4校で取り組みを進めている。
 学校図書館が、読書・資料センターとして充実したことで、貸出数が大きく増加し、児童生徒の語彙が豊かになり文を書く力が伸びたと感じられる。また、学習・情報センターとしての機能を果たしたことで、児童生徒が生き生きと主体的に学ぶ姿が激増するなど、目に見える成果も現れはじめた。まだ児童生徒の力がついたというには時間がかかる活動ではあるが、ひとつひとつの課題を検証し解決しながら、図書館活用を広げていきたいと考えている。

【写真】
広辞苑を使った「たほいやゲーム」でことばの世界を広げる



審査委員より

学校図書館、公共図書館が拠点となるよう環境整備し、「情報・メディアを活用する指導体系表」などの作成や、「図書館活用年間重点単元」の決定、必読書リストの作成、小学校における図書館教育の位置付けなど、情報リテラシー教育の新しい取組と連携を継続している。読書活動を推進する努力として意義深い取り組みである。

プロフィール

【創立】
2003年

【団体の規模】
・学校数:小学校3校、中学校1校(東出雲町内全小・中学校)
・児童・生徒数:小学校1,077名、中学校431名
・指導者数:13名