博報賞

活動タイトル

日本で一番学校林が身近にある小学校~林間を活用した学びがもたらすもの~

伊那市立伊那西小学校

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:長野県
伊那市立伊那西小学校

活動内容

豊かな自然を最大限に活かし、子どもが生き生きと活動する

伊那西小学校は地域の協力を得ながら学校敷地内に学校林を整備している。学校を取り囲むように成長した森を「林間」と呼び、さまざまな原体験をする場となっている。林間での学びを林間学習デザインと設定し、全校縦割り活動では「私たちの林間づくり」、総合的な学習の時間では「林間に素材を求める生活科・太陽の時間」、林間素材による教科の学びでは「林間を活用した教科学習」と定めて、学校での学びや生活、遊び全般にわたって、林間を活用した教育課程を編成し実施している。
例えば、子どもは林間で取れる野いちごでジャムづくりをしたり、コナラを椎茸栽培の原木にしたりするなどの自然物を素材として活用する。その一方で、マラソンコース整備作業計画を考える際には、さまざまな学びで活用する自然物を意識する。6年間の学びを支える自然との共生を学びながら、自校がもつ特徴(環境・所有物・伝統・地域特性など)を再認識する。そこでは子どもが主体的に課題を設定し、納得解・最適解を求めて探究したり、友達と協働的に学んだりしていく。このような学校林を活かした教育課程の魅力は地域外にも認識され、小規模特認校制度の利用と伊那西地区への教育移住をした子どもが増加し、全校児童数の半数以上となっている。
【写真】
成長の早いタケノコも顔を出したら掘りに行けます

審査委員より

学校敷地内にある学校林における本物の自然体験を通して、疑問や課題を見つけて、主体的な学びの場とする活動を72年以上も実施している。子どもが学校林で活動したことで感じたり考えたりしたことを活かし、新たな問いや活動が生まれるような一連の学びを計画・実施していることや、過疎地域における学校が、教育移住者によって活性化した点を評価した。学校の特色を活かした教育課程の編成は他の学校に広がることを期待できる。

プロフィール

伊那市立伊那西小学校

【代表者】
有賀 大

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1950年

【団体所在地】
長野県伊那市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体69名(小学生69名)
○指導者:内部18名、外部8名
○協力者(ボランティア等):20名
○クラス数:普通学級6+特別支援学級2