博報賞

活動タイトル

学齢期を過ぎた外国にルーツをもつ生徒に学ぶ場を提供し、高校へつなぐ活動

NPO法人 多文化フリースクールちば

国際文化・多文化共生教育|博報賞| キーワード:千葉県
NPO法人 多文化フリースクールちば

活動内容

日本語を母語としない学齢超過の子どもの居場所と学びを提供し、将来の希望を届ける

教育や福祉といった制度の狭間でこぼれ落ちてしまっている子どもたちがいる。それは、母国や日本で中学校を卒業したものの、日本語の力が障壁となり、日本の高校教育にアクセスできない、外国につながる子どもたちである。NPO法人多文化フリースクールちばは、こうした子どもたちが、日本の高校進学を目指し、日本語の力と日本語で学ぶ力を獲得し、仲間を見つけ、つながりをつくり、成長していく居場所を提供している。
同フリースクールは、日本語や教科の学習支援にとどまらない。外国につながる子どもたちの複雑な背景に寄り添い、母語や母文化を重視した活動も取り入れることで、かれらが前向きに、他者との関係を編み、自己を再認識し、前進できるよう意識した活動が行われている。これには、無事高校進学を果たし、同フリースクールを卒業した先輩や、千葉大学の学生が大きく貢献している。特に、同フリースクールの卒業生は後輩のロールモデルとなるだけでなく、自身の経験や知識を社会に還元している。その一例が、アフガニスタン出身者の急増を受け、取り組まれた学校連絡文書の翻訳や学校等での通訳である。
支援されるだけでなく、多文化共生に主体的に関わる。NPO法人多文化フリースクールちばは、多文化共生を実現する担い手をも育てている。
【写真】
恒例となった千葉大学生との国立歴史民俗博物館ツアー

審査委員より

学齢超過で行き場のない、外国につながる子どもたちに学びの場や居場所を提供し、設立以来、高校進学を希望するほぼ全員を合格に導き、卒業を可能とする学びの土台を構築している点が高く評価される。また、この活動を支えるスタッフの献身的な寄り添いに敬意を表したい。スクールの卒業生による活動への主体的関わりや学校文書の少数言語への翻訳は意義が大きい。さらに、地域の大学との連携による大学生の参画は、地域で活動を支える動きをつくり出しており、こうした連携はフリースクールの先駆的モデルになると期待される。

プロフィール

NPO法人 多文化フリースクールちば

【代表者】
白谷 秀一

【役 職】
理事長

【活動開始時期】
2014年

【団体所在地】
千葉県四街道市

【HP】
https://www.tabunka-freeschool-chiba.org/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体32名(中学生相当4名、その他28名)
○指導者:内部25名、外部2名
○協力者(ボランティア等):26名
○開催ペースやクラス数:年間220日程度 4クラス体制