博報賞

活動タイトル

産・学・民連携による不登校児童生徒支援モデルの展開

仙台市不登校支援ネットワーク

教育活性化部門|-| キーワード:宮城県

活動内容

不登校支援ネットワークは、2004年2月に「不登校問題は学校や教育委員会のみならず『社会全体で取り組むべき課題』であり、市民・大学・企業・行政などがそれぞれ持っている資源を活かしながら相互にパートナーとして融合し、一体となって不登校の児童生徒や保護者を支援するための社会的な仕組みづくりを行う」趣旨に賛同した市民団体・大学・民間企業等が参加して立ち上げた。
 これまでに、市民・大学・民間企業・教師などがそれぞれの特性を生かしながら、一体となって不登校の児童生徒やその保護者の支援に努めている。主な活動内容は、次のとおりである。
・ 職場体験・職場見学・自分づくり教育(キャリア教育) ・ ITを活用した学ぶ環境づくりの整備
・ 動物を介在させたコミュニケーションプログラムの実施 ・ 農業体験活動・自然体験活動の実施
・ 進路相談会の実施 ・ ワーキング・公開研究会の実施
・ ボランティア養成・活用事業
 職場体験・職場見学では、働くことを通じて多様な価値観に触れるとともに、職場の中で一定の役割を果たすことで達成感が生まれ、学校に行けるようになったなど、その後の生活に大きな変化が現れるケースも多い。学校復帰にはつながらなくとも、社会の中で自立し活躍している生徒も生まれている。農業体験・自然体験活動においては、活動に参加した児童生徒が笑顔を取り戻して帰っていく姿や、久し振りに元気な我が子の姿を見たと言って涙を流す保護者の姿も多く見られる。
 また、保護者や学校関係者等を対象に不登校の子どもたちへの理解を深める勉強会を行っている。ワーキングでは、専門家から不登校の現状や不登校支援の在り方等についての研修、学校現場から見える子どもたちの現状について養護教諭や定時制高校教諭から事例紹介、民間企業や市民団体の取り組みの様子、紹介等を行っている。さらには、毎年テーマを設定し、大学と当ネットワークとの共催で公開研究会を開催している。基調講演、パネルディスカッション等により、様々な視点から不登校の理解・支援に努めている。
 これらの活動を通して、家庭や教室だけではできない学びを人とのふれあいや出会いの中に提供していくことこそが、当ネットワークの役割であると考える。

【写真】
職場体験:保育所や幼稚園の協力で保育活動のお手伝い



審査委員より

不登校を「社会全体で取り組むべき課題」としてとらえ、その理念のもとで市民、大学、民間企業、教師などの20団体以上が連携し、それぞれの特性を生かしながら、職場体験、ITを活用した学習環境の整備、動物を介在させたコミュニケーションプログラムの実施など、不登校の子どもたち一人ひとりの状況に応じたユニークな支援ネットワークを構築している。

プロフィール

仙台市不登校支援ネットワーク【文部科学大臣奨励賞受賞】

団体概要

【創立】
2004年

【団体の規模】
会員数:24団体(2010年度諸活動支援人数 延べ360名)