児童教育実践に
ついての研究助成

第16回(2021年度)

第16回助成対象一覧
(研究助成期間:1ヵ年2021年4月-2022年3月/2ヵ年2021年4月-2023年3月)

  • 第16回「児童教育実践についての研究助成」は、全国からいただいた94件のご応募の中から、下記の研究を助成いたします。
  • は優秀賞受賞の研究です。発表会の様子はこちらからご覧いただけます。
  • 成果要約は、添付のPDFでご覧いただけます。

研究助成期間:1ヵ年

助成対象研究(代表)者 (50音順、敬称略) 研究タイトル(※グループ研究) 研究内容
助成対象研究(代表)者
研究タイトル(※グループ研究)
賀数 さゆり(かかず さゆり)
お茶の水女子大学 大学院生
子どもの生育環境と言語能力に関する社会学的研究ー沖縄の学力問題へのアプローチー
川越 至桜(かわごえ しおう)
東京大学 准教授
VR技術を活用した読書支援システムの研究開発
佐藤 彩香(さとう さいか)
大槌町立大槌学園 教諭
日本語の意味的関連性を利用した小学生の英語語彙学習:教科書分析と教材開発に基づく実践研究 ※
瀧沢 広人(たきざわ ひろと)
岐阜大学 准教授
日本の小学生における英語の音韻認識の発達に関する調査・研究 ※
友永 達也(ともなが たつや)
神戸大学附属小学校 教諭
「質問力育成カリキュラム」の開発-幼小を貫いて育む学習者の「質問行動」-
福島 耕平(ふくしま こうへい)
桜花学園大学 准教授
児童の「書く力」の向上を目指したICT活用による学習成果の共有・交流 ※
藤本 圭司(ふじもと けいじ)
広島県立西条特別支援学校 教諭
肢体不自由児の学習及び生活場面におけるスマートスピーカーの活用 ~学習意欲・QOLを高めるための実践研究~ ※ 最優秀賞
本所 克寿(ほんじょ かつとし)
明石市教育委員会事務局学校教育課 指導主事
コミュニティ・スクールの特性を生かした学び場の構築~「社会に開かれた教育課程」の体現を目指して~

(所属・役職は助成決定時のもの)
(※はグループ研究)

研究助成期間:2ヵ年

助成対象研究(代表)者 (50音順、敬称略) 研究タイトル(※グループ研究) 研究内容
助成対象研究(代表)者
研究タイトル(※グループ研究)
一色 翼(いっしき たすく)
さいたま市立植竹小学校 教諭
教師のPsychological Capitalが保護者への心理的安全性に及ぼす影響 ※
甲斐 伊織(かい いおり)
学習院 教諭
中学校国語科における情報活用能力育成のカリキュラム開発
岸田 蘭子(きしだ らんこ)
京都市教育委員会 専門主事
伝統を未来につなぐ新しい学習様式で子どもの主体的な学びを引き出すデジタルコンテンツの開発 ※
北浦 貴之(きたうら たかゆき)
山梨県都留市立東桂小学校 教諭
ことばで世界・他者・自己を探究する子どもたち ~「てつがく」を通してことばを発見する~
鈴木 ゆみ(すずき ゆみ)
関西学院千里国際キャンパス カウンセラー・教諭
教育関係者のための「外国人児童生徒の特別支援スタンダード」作成の試み ※
水戸 陽子(みずと ようこ)
北里大学 助教
新たな表出・理解語彙発達検査の開発 ※
三和 秀平(みわ しゅうへい)
信州大学 助教
小学生の英語学習への価値理解および動機づけの向上を目指した哲学対話の実践 ※
柳生 一自(やぎゅう かずより)
北海道大学病院 特任助教
日本語における書字障害の背景、機序に関する研究 ※

(所属・役職は助成決定時のもの)
(※はグループ研究)

子どもの生育環境と言語能力に関する社会学的研究ー沖縄の学力問題へのアプローチー

賀数 さゆり(かかず さゆり)

お茶の水女子大学 大学院生

本研究は「ことばの力」が学力向上に重要なキーワードであると捉え、幼児期から学齢期にかけての言語環境に着目し、教育的アプローチを検討する。その際に社会学的な視点から学力問題や教育環境の厳しい課題を抱える地域として沖縄を取り上げ、実証的な研究を行う。対象地域を設定する理由としては、ことばの教育の可能性についてより具体的な考察を目指すことと、地域の文化と言語が深く関わっていると考えるからである。幼児の多様な言語環境の中から教育的アプローチを検討するために、「絵本の読み聞かせ」の質に関するスケールを作成・測定し、就学後(小学1年生時)の国語力との関連を検討する。スケールでは家庭・幼児教育施設での絵本の蔵書、選書、読み聞かせの頻度、態度等の指標を想定している。さらに子どもの背景にある家庭の文化・経済資本(親学歴・世帯年収)や社会関係資本(子どもの教育の共同・連携力)についても、検討することで、格差の是正に向けた教育提言を目指す。

成果要約(186KB)

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VR技術を活用した読書支援システムの研究開発

川越 至桜(かわごえ しおう)

東京大学 准教授

本研究では、VR(バーチャルリアリティー:仮想現実)技術を活用した読書支援システムの開発を目的とします。子どもたちの興味・関心の高いVRを活用し、読書の楽しさを伝え、文字から想像する過程を支援するとともに、コミュニケーションできるシステムを開発します。具体的には、文字から想像した情報をコンピューター上で可視化させ、その可視化させた情報をVR上で他の人と共有し、コミュニケーションできるシステムを開発します。そして、開発したシステムをワークショップにて実践することで、読書に対する意識や興味関心がどのように変容するかについて調査します。読書とVRという組み合わせによって、文字から想像する過程を楽しんでもらい、読書の楽しさを伝え興味関心を高めることで、主体的な読書につながるのではと考えられます。

成果要約(449KB)

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日本語の意味的関連性を利用した小学生の英語語彙学習:教科書分析と教材開発に基づく実践研究 ※

佐藤 彩香(さとう さいか)

大槌町立大槌学園 教諭

小学校における外国語の教科化に伴い、教科書で扱う語彙数が大幅に増加している。外国語教育の現場では、目標とされているコミュニケーション能力を養うために,児童に負担なくより効果的に語彙を指導する方法が求められている。更に、名詞のみならず様々な語彙に触れていくことが必要であるが、教科書では名詞が多く扱われているのが現状である。本研究では、これらの課題を解決するため、小学生にとって語彙の習得に有効とされている母語の語彙知識の一つである、単語同士の意味的関連性を利用した語彙学習教材の開発と実践検証を行う。本研究から得られる成果として、教科書における単語同士の意味的関連性の強さを示した語彙リストを提示する。更に、日本語における意味的関連性をもとにした、様々な品詞を含む効果的な語彙学習教材の開発を行う。

成果要約(272KB)

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日本の小学生における英語の音韻認識の発達に関する調査・研究 ※

瀧沢 広人(たきざわ ひろと)

岐阜大学 准教授

英語の音韻は、大きな単位から小さな単位へと認識が発達することがわかっている。では、英語を母語としない日本の小学生の英語の音韻認識能力も同じような発達を辿るのであろうか。英語母語話者と同じ傾向を示すのであろうか。つまり大きな単位から小さな単位へと認識が発達するのであろうか。日本の小学生は、彼らの日常生活において、英語の音韻認識能力は育つ環境でない。小学校の英語授業で英語の音韻に触れているのみである。また母語の影響も受けている。そのような環境下、日本の小学生の英語の音韻認識はどのように発達していくのだろうか。筆者らは、小学生に音韻テストを実施し、児童の音韻発達の度合いを調査する。またこの研究により、小学校英語教育における音韻指導のデータ提供や、今後の音韻認識プログラムの提案へとつなげていく。

成果要約(242KB)

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「質問力育成カリキュラム」の開発-幼小を貫いて育む学習者の「質問行動」-

友永 達也(ともなが たつや)

神戸大学附属小学校 教諭

「質問行動」について生田(2004)は「対象からの情報と既有知識のズレを知覚し、そのとき感じる違和感から起こる気持ちを解消するために、自己内で生成した質問を、他者に音声言語として表現し、その質問に村する他者の反応をもとに知識を再構成する能動的な学習活動」と定義づけている。「質問行動」に関する先行研究を踏まえた本研究の目的は大きく2点である。1点目は、幼小接続期にまで対象を広げながら学習者の「質問生成・質問行動」の実相を分析し、その知見を活かした「質問力育成カリキュラム(試案)」を開発し、これまで十分に焦点が当てられなかった幼児期からの「質問行動」における発達的傾向を明らかにすることである。2点目は、1点目の知見を活かした授業方法を開発し、教育現場で実践したうえでその有効性を検証することである。

成果要約(273KB)

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児童の「書く力」の向上を目指したICT活用による学習成果の共有・交流 ※

福島 耕平(ふくしま こうへい)

桜花学園大学 准教授

2019年に実施された全国学力学習状況調査の小学6年生国語の問題において、学習指導要領の領域等で分類した回答の結果は、「話すこと・聞くこと」の平均正答率72.4%,「読むこと」の平均正答率81.8%に対して、「書くこと」の平均正答率54.6%であった。このことから小学校においても、「話す・聞く・書く・読む」の言語活動の中で、「書く」活動が他の活動と比べ大きく落ち込んでいることがわかる。そこで、本研究では、小学校における日常の各教科の授業において、児童一人1台の端末と学習支援システムを活用して、児童が書いた文章を共有・交流することで、児童の「書く力」の向上や表現方法に改善がみられるかを検証する。また、その際の交流の視点や教員の有効な支援方法についても検討をおこなう。

成果要約(199KB)

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肢体不自由児の学習及び生活場面におけるスマートスピーカーの活用 ~学習意欲・QOLを高めるための実践研究~ ※

藤本 圭司(ふじもと けいじ)

広島県立西条特別支援学校 教諭

本研究は、肢体不自由のある児童生徒の学習補助や生活動作の代替手段としてスマートスピーカーを導入し、導入前後の自然言語の変化を分析することで、教育的効果を明らかにすることを目的とする。対象は、肢体不自由を呈しており、発語が明瞭である者とする。これらの者は、スマートスピーカーを活用すれば短時間で情報を収集でき、情報活用や課題解決などの学習に力を注ぐことが可能となる。また,スマートスピーカーを使用すれば、自分の言葉を使って様々な生活家電を操作することが可能となる。このような実感を伴った学びが、学習意欲やQOLを高め、児童生徒の主体的な学びを促すことにつながると考えている。本研究の成果は、肢体不自由のある児童生徒の実態に即したICT機器の活用の一助となる。

成果要約(216KB)

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コミュニティ・スクールの特性を生かした学び場の構築~「社会に開かれた教育課程」の体現を目指して~

本所 克寿(ほんじょ かつとし)

明石市教育委員会事務局学校教育課 指導主事

タブレット端末等ICT機器の普及により、子供たちの学びは大きな転換を迎えた。コミュニティ・スクールもまた、子供の新たな学びを生み出す仕組みであると捉えている。本研究は、学校、地域、家庭の三者が一体となって地域の子供を育むというコミュニティ・スクールの特性に着目した。その特性を生かし、将来にわたって主体的に地域とつながり、地域に貢献しようとする素地の涵養に資する学び場の構築を本研究の目的とする。抽出した学校とその地域の実態を把握し、子供たちが地域を学びのフィールドとして学習活動を展開できる単元を構想する。さらにそのような単元を意図的・計画的に配列した教育課程を編成する。これは、「社会に開かれた教育課程」を体現するものであり、抽出校に限らず他校の実態に応じて転用可能な成果であることを期待する。

成果要約(267KB)

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教師のPsychological Capitalが保護者への心理的安全性に及ぼす影響 ※

一色 翼(いっしき たすく)

さいたま市立植竹小学校 教諭

次世代を担う子どもたちの主体性や創造性の喚起に向けては,まずは教師自身の創造性発揮が求められ、そのためには教師の心理的安全性の確保が重要であることを応募者らは明らかにしてきた。そこで本研究では、教師のPsychological Capital (目標に向かう心の状態; Luthans et al., 2007; 以下PsyCap) が、教師が保護者に抱く心理的安全性を高める要因となるかを検討する。第一に、創造的実践を展開する教師へ半構造化面接を行い,教師特有のPsyCapの内容を検討する。第二に、教師を対象に3波に及ぶ縦断的調査を行い、潜在成長モデルに基づく分析によりPsyCapの心理的安全性への影響を確認する。第三に、PsyCap向上プログラムを開発し、RCTデザインに基づく介入研究を通して効果検証する。

成果要約(517KB)

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中学校国語科における情報活用能力育成のカリキュラム開発

甲斐 伊織(かい いおり)

学習院 教諭

本研究は、情報活用能力を段階的に育成するカリキュラムの開発を目的とする。情報活用能力は短期間では身につかず、学習経験の蓄積、すなわちカリキュラムによって身につくものとして捉える必要がある。本研究では、情報活用能力を学習指導要領の「資質・能力」に基づいて三点の要素から構成されるものと措定する。そして、三要素が含まれる実践として、昭和期の中学校国語科教師である大村はまによる読書会を位置づける。資料によって復元可能な15年間において複数回行われた読書会の実践と、それまでの学習経験の蓄積の関連を考察し、三要素が有機的に関連し合いながら、段階的に育成されていく学習過程を提示する。これに基づく実践を複数回行い、三要素の段階の検証を行う。以上の過程を経て、今日の国語教室に活用可能なカリキュラムを提示する。

成果要約(188KB)

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伝統を未来につなぐ新しい学習様式で子どもの主体的な学びを引き出すデジタルコンテンツの開発 ※

岸田 蘭子(きしだ らんこ)

京都市教育委員会 専門主事

自然環境や人権課題などの社会における諸問題を自らの問題として捉え、持続可能な社会に向けて行動できる児童生徒を育む学習が注目されている。今後の予測困難な社会を生き抜く児童生徒には持続可能な社会の創り手としての資質・能力を育む必要がある。さらにはGIGAスクール構想も見据え、児童生徒の主体的な学びを引き出す学習方法の確立と教材の開発が急務である。本研究では小中学校の家庭科を中心に、京都の地域性を生かしつつ、自立した市民の育成に向けた学習課題についてプログラミング的思考も取り入れた意思決定のプロセスを京町家の住まい方や消費者教育を通して研究実践を深めたいと考えている。研究を通して、持続可能な社会の創り手の育成という点から、京町家を教材にした自然と共生した住育や消費者教育のデジタルコンテンツを活用した問題解決型の学習方法の有用性を実証する。

成果要約(209KB)

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ことばで世界・他者・自己を探究する子どもたち ~「てつがく」を通してことばを発見する~

北浦 貴之(きたうら たかゆき)

山梨県都留市立東桂小学校 教諭

子どもたちが、学校の中でこれまで表現できなかったことばを発することのできる場を拓く。その実践としての「てつがく」の可能性を探る。
生活する中で湧いてきた問いについて他者と共に語り合う、哲学対話。そして、その問いについて交わす自己との問答として綴る、詩や日記。これら、話し、聴き、書くことの中で、ことばを使って世界や他者、そして自己を探究し、発見していく「てつがく」の実践を試みる。 それと同時に、「てつがく」する子どもたちの物語を記録する表現形式を探る。これは「てつがく」の経験を他の実践者と共有する場を拓く作業であり、また実践者自身が子どもたちとの「てつがく」の経験をふりかえり、反省的に実践するための足場を築く作業である。
以上、本研究は子どもたちとの「てつがく」の実践と記録の試みである。

成果要約(260KB)

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教育関係者のための「外国人児童生徒の特別支援スタンダード」作成の試み ※

鈴木 ゆみ(すずき ゆみ)

関西学院千里国際キャンパス カウンセラー・教諭

近年、外国人児童生徒、帰国生、国際結婚家庭の子どもの増加とともに日本語指導の必要な子どもが増えている。このような多言語環境で育つ子どもの学習上の困難や問題行動が顕在化した場合、それは言葉の理解の遅れからくるのか、文化的相違によるものなのか、それとも障害や発達に起因する課題によるものなのかという判断の難しさが支援者や専門家から指摘されている。そこで本研究では、学校での対応を具体的かつコンパクトに示した「外国人児童生徒の特別支援スタンダード」を作成することを目的とする。この冊子は3部構成である。第1部は多言語環境で育つ子どもの基本的知識を紹介する「基礎編」、第2部はアセスメントシート作成を中心とした「アセスメント編」、第3部は支援者の役割や関係機関の連携、支援者の文化的コンピテンスからなる「対応編」である。全30ページ程度の小冊子の形を想定している。

成果要約(308KB)

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新たな表出・理解語彙発達検査の開発 ※

水戸 陽子(みずと ようこ)

北里大学 助教

語彙発達は、言葉の発達の中核的な要素の一つである。したがって、言語発達の遅れを持つ幼児児童に対して適切な指導をするためには、語彙発達の評価は不可欠である。しかし本邦には、語彙発達を客観的かつ総合的に評価できる検査がない。そこで本研究では、語彙発達の的確なアセスメントを可能にする、表出・理解語彙発達検査を開発する。2歳~7歳11ヵ月の幼児児童を対象として、新たに開発する表出・理解語彙発達検査を実施し、標準化のためのデータを収集する。 これを開発することで、語彙発達の的確な評価が可能になり、幼児児童の言語能力の正確なアセスメントが可能になる。さらに、言語発達の遅れのほか、学習障害などの発達障害のある児童の実態に即した言語指導、学習指導につなげることが期待できる。

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小学生の英語学習への価値理解および動機づけの向上を目指した哲学対話の実践 ※

三和 秀平(みわ しゅうへい)

信州大学 助教

哲学対話の方法を取り入れ、英語を学ぶ意義について考え対話することで、英語学習への価値の理解や動機づけの向上につながるのかを課題価値の側面から検証する。小学校から英語教育が教科化され学ぶ機会が増えたものの、学ぶ意義の認識が不足しているとしばしば指摘されている。対話を通して英語を学ぶ意義について考えることで、日ごろから考える思考力が形成され、将来や日常とのつながりを踏まえて英語を学ぶ価値の理解を促進することができるだろう。それに伴い、動機づけや成績の向上につながっていくことが期待される。本研究では、哲学対話の方法を取り入れた介入の効果を検証するとともに、この実践を広げるために、子どもの様子の観察やインタビューを通して効果的な実践を行うための指導例や解説動画を作成し、教育現場へ提案する。

成果要約(305KB)

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日本語における書字障害の背景、機序に関する研究 ※

柳生 一自(やぎゅう かずより)

北海道大学病院 特任助教

書字表出は「読み書き」における最終段階でのアウトプットであり書字障害はその背景に様々な要因が存在することが多い。読字障害、視覚認知・構成認知の困難や発達性協調運動症による書字障害、また注意欠如多動症に伴う書字障害をきたす例が知られている。さらに二次障害として意欲の低下も見られる。こうした階層的・複合的な要因に絡む書字障害の背景、機序を明らかにすることは適切な支援に必須である。今回、私たちは書字表出の困難例に対して包括的な検査バッテリーを用い、書字表出困難の要因を階層的に整理分類し、書字表出困難に至る要因の分布を多施設共同研究で検討する。さらに書字障害に至る要因やその後に及ぼす影響を明らかにする。適切な支援へと結び付けられるような「書字障害の評価と対応・支援のガイドライン」作成を目指す。

成果要約(204KB)

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