博報賞

活動タイトル

「自信をもって、自分を表現できる力」を育てる視覚障害教育

樋口 正美 (広島県立広島中央特別支援学校 指導教諭)

特別支援教育|功労賞| キーワード:広島県
樋口 正美 (広島県立広島中央特別支援学校 指導教諭)

活動内容

視覚障がいのある子どもの自主性を大切にする教育に邁進した教師生活

教員としての新採用時から、36年間にわたり視覚障害教育に邁進、特別支援学校(視覚障がい)や小学校の弱視通級指導教室での教育実践を広島県内のみならず、全国に発信し続けている。視覚に障がいがある子どもが地域の小学校で学ぶために必要な力は、子ども自らが見えにくい、見えないことを実感したうえで、自信をもって学習に取り組み、自分で判断して行動できることであるとした。その姿を目指して、子ども自らが体験する活動を用意したり、具体物、模型等の教材教具を個別に用意したりして、丁寧な教育実践を積み重ねてきた。
研究活動においては、「視覚障害のある子どもへの授業づくり」を研究テーマとして、校内研究体制をマネージメントするとともに、他の教員と共に連携して取り組んできた。さらに指導教諭となってからは積極的に模範授業を行うなど、先導的立場から授業研究を推進してきた実績がある。
県内はもちろんのこと、全国各地での研修会、講座等の講師、助言者等の経験も豊富であり、平成26年度以降、研究部通信「ニューとん」に定期的に執筆(現在までに114号)、平成27年度からは研究部長として、毎年の公開授業研究会を企画運営し、県内外からの多くの参加者が集まるなど、日本の視覚障害教育の専門性向上に貢献してきた。
【写真】
点字を読む指導をしている様子

審査委員より

見えにくい、見えない子どもの思いや主体的な学びを重視した教育活動を、初任時から36 年間継続して取り組んできた。視覚障がいのある子ども自らが、可能な限りの五感を活用し身体を動かす体験活動は、子どもの学ぶ意欲と笑顔につながっている。
指導教諭となってからは、積極的に模範授業を行うとともに教員グループによる授業研究体制の構築に努め、その成果は「研究部通信」として、ホームページで継続的に情報発信している。県内外での講演・研修会講師を務めるなど、全国の視覚障害教育の専門性の向上にも寄与してきた点も評価に値する。

プロフィール

樋口 正美

【所属先役職】
広島県立広島中央特別支援学校 指導教諭

【活動開始時期】
2012年

【団体所在地】
広島県広島市

【HP】
https://www.hiroshima-sb.hiroshima-c.ed.jp/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体20名(小学生相当10名、中学生相当5名、その他5名)
○指導者:内部1~10名