博報賞

活動タイトル

学校から地域を巻き込みSDGsの達成に貢献するESDの実践開発

奈良市立平城小学校

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|奨励賞| キーワード:奈良県
奈良市立平城小学校

活動内容

秋篠川の環境汚染について学習・発信し、大人の行動変容を実現(4年生)

2016年から、学校の横を流れる秋篠川の課題解決への取り組み(4年生)を核に、ESDを推進している。活動はもとより授業開発や研修も、吉野川源流に位置する「森と水の源流館」、近畿地方ESD活動支援センター、環境省近畿事務所などと連携して行われ、安定的・永続的な活動となる体制・仕組みを整えている。
川に対する子どもたちの関心を高め、自ら学びたくなるように開発されたカリキュラムは、生物調査や水の冷たさを感じるなど自然との交歓の体験からスタート。「森と水の源流館」館長のレクチャーや、農家・漁師・昔の川を知る高齢者への聞き取りなどを通して、川の役割について探究的な学びを深めていく。活動を通して川の恵みを知り、親しみを育んだ子どもたちの前にやがて立ちはだかるのが、川のプラスチック汚染の課題だ。子どもたちはゴミマップを制作し、汚染の現状を可視化。現実を直視し、「自分は何ができるのか」を問う中で、やがて「プラスチック製品を極力使わない、使ってもリサイクルする」といった考えに至る。
さらに根本的な課題解決には、大人を動かすことが不可欠であるとの気づきを得て、世界遺産学習全国サミットなどを介して、課題を発信。河川環境保全を行う団体が子どもと共に活動を開始するなど、地域を巻き込んだ活動へと発展している。

【写真】
子どもが行動を変えてもごみが無くならないことを知る

審査委員より

学習指導要領が改訂され、新たに前文が位置づけられた。そこには「持続可能な社会の創り手」ということばが示され、これからの社会に求められる人材像が明らかにされている。平城小学校の実践は、そうした未来社会を担う子どもに確かな資質・能力を育成しようとする取り組みである。総合的な学習の時間を通して、子どもが地域の学習材を対象に、十分な体験活動を土台にして、粘り強く探究している姿が印象的である。また、それを支える指導体制や組織が整備され、学校外との連携が安定的に行える状況を整えようとしている。

プロフィール

奈良市立平城小学校

【代表者】
小倉 康裕

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2016年

【団体所在地】
奈良県奈良市

【HP】
http://www.naracity.ed.jp/heijou-e/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:538名
○指導者数:38名
○協力者数(ボランティア等):奈良県川上村森と水の源流館・近畿E15名(地域教育協議会・近畿ESDコンソーシアム)
○開催ペースやクラス数:総合的な学習時間、生活科