博報賞

活動タイトル

放課後学習支援活動を通じた子どもの健全育成事業

特定非営利活動法人 子どもの国

国際文化・多文化共生教育|博報賞| キーワード:愛知県
特定非営利活動法人 子どもの国

活動内容

外国籍児童生徒の居場所として、幅広い年齢の子どもたちを支援

住民の半数以上を日系南米人が占める地区で、不就学・不登校に陥らないための学習支援をはじめ、青少年自立支援、幼児向け日本語教室などに取り組んでいる。
活動の中心は週5日開かれている放課後学習支援「ゆめの木教室」。小学生には学習の進め方を身につけ、自らの力で学べるようスタッフが対話を通してサポートする。基礎学力強化のための漢字や九九検定も実施し、レベルアップが実感できる工夫で学ぶ意欲を刺激している。中学生には、まず自分で問題を解くよう促し、解けない問題のみスタッフと一緒に取り組むことで、主体的に学ぶ力を醸成する。さらに日常会話が母語に偏りがちなため、教室では日本語、家庭では母語と使い分ける指導を通じ、2言語を伸ばす工夫としている。
また、年4回開かれる子ども、保護者、指導スタッフが集う交流会はOB、OGによる自らの経験を伝える場であると同時に、多言語文化の環境下での子育てや進学、就職、教育費について保護者間で考える貴重な機会となっている。
22年間という息の長い活動で、節目ごとに教室を訪れたり、会員として支える側となったりする卒業生も多い。2004年からは近隣の小中学校と定期的に情報交換を実施し、双方の実践に活かしている他、近年は大学研究室とも連携。より効果的な学習支援方法を追求している。

【写真】
幼児日本語教室では楽しい工作や絵描き歌なども体験

審査委員より

外国籍の子どもたちに対し、20年以上の長きにわたり、「基礎的な学力の定着」という、地道な実践に真摯に取り組んでいる団体である。学習の支援は、個を尊重したオリジナリティを有するとともに、子どもたちの自己効力感の向上や学習へのモチベーションを維持させるものとなっている。また、地域の大学生や企業スポーツ団体との積極的な協働や、卒業生への支援が継続されている点も賞賛すべき内容となっている。今後も、この取り組みをさらにブラッシュアップさせ、本実践をモデルとした、多くの子どもたちへの支援が、全国に発信されることを期待する。

プロフィール

特定非営利活動法人 子どもの国

【代表者】
井村 美穂

【役 職】
理事長

【活動開始時期】
1998年

【団体所在地】
愛知県名古屋市(活動は豊田市)

【HP】
http://npokodomonokuni.org

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体20名(小学生相当10名、中学生相当10名)※コロナ禍のため従来より参加人数を制限(従来参加している子どもの人数:全体60名)
○指導者数:内部8名、外部1名
○協力者数(ボランティア等):2名
○開催ペースやクラス数:週5回、2クラス(小学生クラス、中学生以上クラス)