博報賞

活動タイトル

12年間連続して本物に触れながら学ぶ「OTA キャリア教育プラン」の実践

茨城県立常陸太田特別支援学校

特別支援教育|奨励賞| キーワード:茨城県
茨城県立常陸太田特別支援学校

活動内容

地域の中で目指す「なりたい自分」

開校時の2015年度から、地域・保護者・学校が連携し、事業所などの協力を得て小中高一貫したキャリア教育を実践している。その指針となっているのが、全教員参加の校内研修を通して築き上げた「OTA キャリア教育プラン」だ。ここには学年ごとの教育目標、求める力、発達課題、「なりたい自分」を目指した授業づくりなどが記され、具体的で明確な指導を可能にしている。
実践の中心は、「地域」(ヒト・モノ・サービス・つながり)という「本物」に触れながら学ぶ体験的な学習である。子どもたちは体験先からの言葉かけ、ありがとうシール、具体的評価などを通して、自分の役割を果たすことや人の役に立つことなどの喜びを知り、「褒められ、認められる経験」を積み重ねる。また、個人の重点目標を記す「評価表」や「振り返りシート(自己評価)」「いばらきキャリア・パスポート」も活用して、「なりたい自分」を本人と保護者、教員が共有・明確化している。日々の授業でも活かし、夢や希望の実現に必要な力を身につける意欲へとつなげている。
対外的な活動が制限された昨年度からは、児童生徒のアイデアを活かした校内でのお仕事体験(小学部)・職場体験学習(中学部)・インターンシップ(高等部)や、地域とのつながりを大切にしたリモート意見交換会なども行っている。

【写真】
小学部お仕事体験 郵便局でのティッシュ配りの様子

審査委員より

2015年度開校当初から6年間にわたり、「キャリア教育の推進」を掲げ、地域・保護者・学校が連携し、小中高の全学部で取り組んでいる実践である。特に、実社会の現場で行う「本物に触れる学び」は、児童生徒が実体験を通して成長することを目的としており、教員の評価も高い。2018年度からは、キャリア教育全体計画「OTA キャリア教育プラン」を策定し、より一層、系統立てた教育実践に努め、子どもたちの笑顔につながっている。今後、各学部における教育課程を踏まえた上で、個々の発達段階や障がい特性に応じた「地域で働く体験」が具現化されることを期待する。

プロフィール

茨城県立常陸太田特別支援学校

【代表者】
三沢 博樹

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2015年

【団体所在地】
茨城県常陸太田市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体約200名(小学生約90名、中学生約40名、その他約70名)
○指導者数:内部約110名
○協力者数(ボランティア等):体験協力事業所 小学部約11カ所、中学部約8カ所、高等部約40カ所
○開催ペースやクラス数:お仕事体験(小学部約12クラス):週1日×2週×年間2回 職場体験学習(中学部約6クラス):週1日×2週×年間2回 集団連続型インターンシップ(高等部1年約3クラス):週3日年間2回 個別連続型インターンシップ(高等部2·3年約7クラス):週5日×1・2週×年間2·3回