博報賞

活動タイトル

互いを高め合う交流及び共同学習の実践 ~芸北りんごがつなぐ高等学校との取り組み~

広島県立広島北特別支援学校

特別支援教育|博報賞| キーワード:広島県
広島県立広島北特別支援学校

活動内容

50㎞離れた異校種間での特産物を活かした学び合い

本校高等部2、3年生と県立加計高等学校 芸北分校・農業類型(以下、芸北分校)が、特産物である「芸北りんご」をかけ橋に、8年以上続けている交流及び共同学習。本活動は、高等部「職業コース」において知的障がいのある生徒への年間指導計画に位置づけられ、「作業学習(食品加工)」の一環として取り組まれている。
活動は年2回の訪問と年1回の来訪による合同学習を中心に、リモートによる事前・事後学習と情報交換、手紙による感謝や感動の伝え合いなど、年間を通して計画的・組織的に実施される。
年度初めの訪問時に、芸北分校生徒がリンゴ栽培の歴史や生産過程、栽培への想いを説明。本校生徒の関心を深め、商品開発や販売への意欲を高める契機としている。収穫などの農作業に本校生徒が芸北分校を訪れた後、秋には再び、芸北分校生徒が来校。パンや菓子製造について本校生徒がレクチャーしながら、ペアを組んで製造する。対等な立場での学び合い・教え合いは、双方の自信を深め、相手(消費者)が喜ぶことを意識した製品づくりへの意識向上にも寄与している。
また県庁での合同販売実習は、互いの良さや販売の姿勢を学ぶ機会であると同時に、成就感や充実感を得て新たなアイデアを提案し挑戦するなど、積極性の育みにもつながっている。

【写真】
収穫したリンゴを用いた両校生徒でのパンづくり

審査委員より

地域の特産品である「芸北りんご」をかけ橋に、距離というバリアを超えて8年間にわたって取り組まれてきた高校段階における交流及び共同学習の実践である。地域交流単元を軸に作業学習の教育課程が編成され、第2、3学年で継続して芸北分校生徒との学習が行われる。そして、リンゴ栽培を行っている芸北分校への訪問、リンゴを使ったオリジナルパンやお菓子の製造を行っている特別支援学校への訪問、さらに合同販売と相互に学び合う機会をうまく散在している。学校の枠を超えた学習は、それぞれの生徒の意欲や自信、将来への夢や希望を向上させるだけでなく、相互の敬愛という関係まで高めている。すべての地域や学校のモデルとなる先駆的な実践と高く評価できる。

プロフィール

広島県立広島北特別支援学校

【代表者】
津村 真一郎

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2013年

【団体所在地】
広島県広島市

【HP】
http://www.hiroshimakita-sh.hiroshima-c.ed.jp/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:16名
○指導者数:内部2名、外部2名
○販売に協力: 多数
○開催ペース:年間3~4回