博報賞

活動タイトル

ふるさとに学び、共に高め合う子どもたちの「愛のみかん運動」

八幡浜市立真穴中学校・八幡浜市立真穴小学校

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:愛媛県
八幡浜市立真穴中学校・八幡浜市立真穴小学校

活動内容

地域に見守られ行うお手伝い活動が、郷土愛と働くことの意義を醸成

「愛のみかん運動」は、温かく見守ってくれる地域の方々に恩返しをしたいと、児童会・生徒会が中心となり53年以上前に立ち上げた。
八幡浜市真穴地区は県内有数のみかん産地で、全校の7割以上がみかん農家となっている。農繁期に小学校は1か月、中学校は1週間を「お手伝い期間」とし、一人ひとりが家庭の状況を鑑み、必要な手伝いを工夫して行っている。この間学校は特別校時となり、部活動は短縮し、学校行事も計画しない。「お手伝い期間」前には小中合同集会が開かれ、全校児童生徒で活動の意義を確認。期間中は、手伝いについて感じたことを話し合い、共有する時間が設けられている。家が農家ではない子も、地域の農家や家の手伝いを主体的に行っている。活動後は、手伝いのお礼のみかんを学校に持ち寄り、自ら選別、箱詰めして福祉施設や県外の被災地、お世話になった方々に感謝の手紙を添えて贈る。
子どもたちは「働くこと」「働いて養うこと」の大変さや大切さを実感し、またその一端を担うことで自己有用感を得ている。高校・大学卒業後、または企業に就職後に、家業を継承する子どもも多く、地域が見守り・育ててきた子が成長して、見守る側になるという循環も生まれている。

【写真】
集まったみかんを選別し、箱詰めする

審査委員より

「地域の子どもは地域で育てる」という当然だがいま一番忘れられているキーワードを学校教育に改めて問いかけている教育活動。53年以上も継続しており、地場産業であるみかんの収穫期に子どもたちが家の仕事を手伝い、その収穫物を学校で梱包して施設などに出すことで、地域の人々がいつもしている仕事に目を向けるようになっている。この活動を通して、普段の自分の暮らしを見つめ、これからの生き方を考えるキャリア教育にもつながっており、家の手伝いをするという当たり前だが忘れかけている家庭の教育に一石を投じている。

プロフィール

八幡浜市立真穴中学校・八幡浜市立真穴小学校

【代表者】
菊池 太

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1966年

【団体所在地】
愛媛県八幡浜市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:100名(小学生70名、中学生30名) ○指導者:内部24名 〇協力者(ボランティア等):10名 ○開催ペース:年1回