博報賞

活動タイトル

「近松」と共に ~教育活動の柱として「近松郷土学習」を位置付けた取り組み~

尼崎市立下坂部小学校

日本文化・ふるさと共創教育部門|博報賞| キーワード:邦楽/和楽器子どもが主となって進める授業・活動の実践兵庫県
尼崎市立下坂部小学校

活動内容

近松門左衛門に親しみ、近松を通して学ぶ6年間のカリキュラム

創立142年を迎える下坂部小学校は、近松門左衛門ゆかりの地と文化をもつ地域にある。本校では、地域の方々の協力と指導を得て、工夫を凝らしながら、近松と近松ゆかりの文化に親しみ、近松を通して学ぶ「近松郷土学習」を25年以上実践している。
「近松郷土学習」を横断的・縦断的カリキュラムとして編成することにより、児童は6年間にわたり何らかの活動で取り組める。また、発達段階を踏まえ系統的に取り組むことで、「触れる」「知る」「親しむ」段階から、「詳しく知る」「進んで調べる」「より深く調べる」「継承する」というように、段階的、発展的に学習を進めることができている。さらに、給食・清掃後に行う帯学習の時間に全校で浄瑠璃の演目「寿式三番叟」の練習をすることで、一体感や帰属意識も高まり、自発的な学習にもつながっている。
一連の学習活動や浄瑠璃クラブなどでの取り組みは、オープンスクール「近松デー」や近松記念館で開かれる「大近松祭」などで披露する。地域や保護者の方々に本校の特色ある取り組みの成果を発表する場であると同時に、児童の手で受け継いできた浄瑠璃を鑑賞し、地域の伝統文化の理解を深める場ともなっている。

【写真】
「大近松祭」での浄瑠璃クラブ 演目「寿式三番叟」

審査委員より

近松門左衛門ゆかりの地でその教育資源に甘んずることなく校内に研究部会を設け、6年間にわたるクロスカリキュラムを作成し実践している。具体的には縦軸を「各教科や領域」に、横軸を児童が表現してふるさとを思う心を意識する場として、6年間の層にして「近松郷土学習」として教育課程に位置付けている。単なるクラブやサークルとしてだけでなく「帯学習」で浄瑠璃演目の語りを全校で練習するなど、すべての児童が関わる工夫もある。地域に生きる子どもにとって、ふるさとの誇りとなる伝統文化を受け継ぎ、新たな伝統を創造していく活動は評価できる。

プロフィール

尼崎市立下坂部小学校

【代表者】
杉本 浩美

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1990年

【団体所在地】
兵庫県尼崎市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:338名 ○クラス数:15クラス ○指導者数:26名 ○協力者数(ボランティア、保護者等):約50名