博報賞

活動タイトル

学社協働の「伝統文化継承教育」による、地域の持続可能性を高める取り組み

飯田市立遠山中学校

日本文化・ふるさと共創教育部門|博報賞| キーワード:地域の活性化/まちづくりプラン/行政などへの提案/地域の担い手少子高齢化/人口減少/地方創生長野県
飯田市立遠山中学校

活動内容

「郷土の舞」継承とESDの観点から学ぶふるさと学習「遠山の時間」

遠山中学校では、統合前の1979年から旧上村中学校が取り組んできた「伝統文化継承教育」を引き継ぎ、実践を続けている。
「郷土の舞」への取り組みでは、居住地区の別なく、学年ごとに学区内3ヵ所の異なる舞について学び、遠山地域全体で伝統を継承できるようにした。各地区の保存会の方には、技術と共に文化としての希少性や、継承していく意義も伝えてもらうことで、文化の継承者、地域の担い手としての意識が醸成されている。また、霜月祭り本番という「本物の場」で舞を披露することで実感を強め、生徒同士で評価し合い、教え合いながら自主練習に励む。こうした活動は、地域の伝統を学校の伝統として生徒の手で受け継ぐことにもつながっている。
さらに総合的な学習の時間「遠山の時間」で、ESDの観点から遠山地区が抱える過疎などの課題に向き合い、自らが地域の未来を支える存在として提言や行動を起こす学びを、3年間系統的に経験していく。この一連の活動により、成人後、継承活動を行う団体に参加し、中学生への「郷土の舞」指導に当たるなどのサイクルも生まれている。舞の技能を身につけるだけでなく、地域の将来を真剣に受け止め、地域の持続可能性を豊かにする活動となっている。

【写真】
霜月祭(12月)当日、中学生の舞

審査委員より

地域の保存会と中学校が協力して行ってきた「伝統文化継承教育」が40年を経て、統合した遠山中学校に引き継がれ、新たな成果を生んでいる。学校教育目標に「郷土敬愛」を掲げて、ESDの観点から教職員、保護者、地域が一体となって教育に取り組んでいる。地域に関する学習が教育課程に明確に位置付けられたことで、学校行事での「郷土舞」の発表のみならず、3年間で系統的に地域の問題を学び、地域の未来を支える存在としての意識を高めている。活動の成果は、卒業生の地域での活躍に表れ、他の中学校、地域が参考にできる取り組みである。

プロフィール

飯田市立遠山中学校

【代表者】
宮澤 博文

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1979年

【団体所在地】
長野県飯田市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:40名 ○クラス数:4クラス ○指導者数:12名 ○協力者数(ボランティア、保護者等):33名