博報賞

活動タイトル

心をつなぐことばの交流ができる子を目指して

盛岡市立桜城小学校

国語・日本語教育部門|博報賞| キーワード:表現力/創造力岩手県
盛岡市立桜城小学校

活動内容

主体的に聞き合い、学びを深める国語科の学習

1977年から43年間にわたって国語科教育に力を注いできた桜城小学校では、2001年に「心をつなぐことばの交流ができる子」を研究主題に掲げ、国語科の学習に「対話」「聞き合い」を位置づけた実践・研究を行っている。こうした長年の国語科の授業改善により、自分の思いや考えを表現し、他者から学びながら、ことばの交流を楽しむ子どもたちの姿が見られるようになった。
この取り組みでは、指導において多岐にわたる工夫がなされている。まず、聞き合う活動の基礎的技能として、発達段階に応じた指導をまとめた「対話の段階的指導系統表」を活用。子どもたちの自主性を重んじ、子どもの問いを生かした課題や多様な解釈・考えが生まれる課題を設定している。また、あいさつや返事などの日常の交流を大切にし、学年・学級でのお話タイムやスピーチ朝会、家庭学習での音読活動など、聞き合う活動を支える土台づくりも継続している。
こうした段階的、継続的な実践により、子どもたちは相手の考えを受け止め、共感的に聞いて思いやりのある行動がとれるようになってきた。異学年や通級指導教室、同校内の特別支援学級の子どもたちとの間でも、ことばの交流を通して心をつないでいる。

【写真】
相手の考えを受け止めながら聞き合い、学習を深める

審査委員より

桜城小学校では、対話的に深く学ぶために、「聞き合う」活動を重要視した取り組みが工夫されている。「聞く」ことの大切さに焦点化し、能動的な聞き手を育てるという取り組みが展開されている点は注目される。特に、対話の段階的指導系統表が作られ、課題解決的な学習がいたるところに構築されていることなどは高く評価される。このほか、挨拶や返事といった基本から出発して、お話タイム、音読集会、朝の発声練習などによる言葉の交流の土台づくり、兄弟学級の活動での対話など、様々な指導上の工夫も注目される。

プロフィール

盛岡市立桜城小学校

【代表者】
佐藤 智一

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2001年

【団体所在地】
岩手県盛岡市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:354名 ○クラス数:14クラス(うち2クラスは特別支援学級) ○指導者数:35名