博報賞

活動タイトル

守ろう!私たちの町 ふるさとは大切な宝物~郷土愛を育む総合単元的な道徳学習の実践~

白石町立有明南小学校

日本文化・ふるさと共創教育部門|| キーワード:佐賀県
白石町立有明南小学校

活動内容

 本校では、地域とのふれあいや体験活動を重視した「総合単元的な道徳学習」を構想し、児童の心の教育を進めてきた。「総合単元的な道徳学習」とは、全教育活動を通して育まれる豊かな心や道徳性を、道徳の時間を中心にして他の教育活動との関連を図り、より具体的に計画的に考えていこうとするものである。さらに、学校生活と家庭や地域生活との連携を図るために、地域力の活用を重要視している。
 中学年では、重点内容項目に「郷土愛」を設定した。4年生では、総合単元「知ろう!伝えよう! ふるさと I LOVE 白石」を構想し、地域への親しみを深め、地域に積極的に関わっていこうとする態度を育てたいと考えた。地域には、県の民俗芸能で、海上交通安全の神を祀る海童神社の秋の大祭「八朔祭」で奉納される「面浮立」や「獅子舞」がある。本実践では、学習発表会「南小祭り」において、地域の伝統芸能(古賀の獅子舞、長浜の獅子舞、室島竜王の面浮立、深浦の太鼓浮立)を発表するという目標を設定し、道徳と他教科等との関連を図った。まず、地域を知るために、グループごとに地域に出かけ、インタビューなどをして調べ学習を行う。また、道徳の時間に地域を守る活動を行っている保存会の方を招くなど、郷土を愛する心情を高めていった。伝統芸能への取組についても、ゲストティーチャーの方々の熱心な指導を受け、積極的に練習を重ねた。児童の意識も徐々に高まり、南小祭りでは、その成果を立派に披露することができ、達成感や満足感を味わった。本実践は、学校での学習に終わることなく、地域の行事にも積極的に参加する児童が増えたり、地域の祭りに新たに子ども獅子舞が出し物として加えられたり、地域の中にも生かされている。
 自分の育った郷土は、自己形成に大きな役割を果たすと共に、生涯にわたっての精神的な支えとなるものである。郷土の自然や文化について学び、それを守り続けていこうとする心情や、主体的に地域に関わろうとする態度を、これからも地域と共に育てていきたい。

【写真】
南小まつりでの伝統芸能「面浮立」の発表



審査委員より

学区内の伝統芸能の学習に子どもたちが地域の人々と一体となりながら取り組んでいる。一般にイベント的な活動で終始しがちな学習内容であるが、国語、社会科など他教科との合科的指導、また、総合的な学習、特別活動等との関連的指導など、学校カリキュラムと柔軟に対応させることで、しっかり根の張った学習活動となっているという点で、他校の範となる教育実践である。

プロフィール

佐賀県 白石町立有明南小学校(しろいしちょうりつありあけみなみしょうがっこう)
【創 立】
1880年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
児童・生徒数:130名
クラス数:7
指導者数:20名