博報賞

活動タイトル

各教科等における言語活動の充実を職員研修の中核に位置づけた実践研究の推進

見附市立見附小学校

国語・日本語教育部門|| キーワード:新潟県

活動内容

本校では、2003・2004年度「学力向上フロンティアスクール事業」、及び2005・2006年度「国語力向上モデル事業」推進校の指定を受け、国語科における学力の向上を目指した。言語活動能力の育成が思考力・判断力・表現力等の基盤であるととらえ、その後も各教科等における言語活動の充実を職員研修の中核に位置づけ、実践研究を進めている。

①言語活動の充実を位置づけた授業づくり
 児童の言語活動能力の実態把握に基づいた国語科の単元づくりや、思考力・判断力・表現力を支えるThinking toolの開発を行った。自他の異同、ずれ、根拠、例示、比較、類推など試行を促す話形を「学習ガイドブック」に示した。これにより、対話的活動の中で、児童が論理的な思考を促す話し合いを行うようになってきた。また、記述場面においても、思考を促す教材の活用で、体験や比較など表現の工夫をしたり文章を構成したり、効果的に自分の考えを伝えてきている。経年の取り組みから、学習内容の獲得場面における記述活動や対話的活動の有効性等も見えてきた。
②家庭や地域、近隣小学校、大学との連携
 中学校区内の小学校が共通して指導する「親と子の学習ガイドブック」を作成し、近年は中学校の教員も加わり合同研修を行っている。大学教官が、直接児童に「読書へのアニマシオン」の指導をしたり、アニマシオンの進め方について職員研修の講師を務めたりしている。
③読書環境の整備
 低学年用図書館の設置、「古典 暗唱集」の作成と活用、「見小の100冊」の選定と図書の整備、家庭と連携した「家読(いえどく)」の推進などに取り組んだ。このことが、家庭での読書量の伸びや、全市をあげた読書運動へと拡がった。
【写真】同じ図書を読んだ子どもたちが、クイズなどを通して読む力を高める「読書へのアニマシオン」



審査委員より

2003年度から国語力向上に取り組んで以来、独自の教育課程や学力調査、思考操作の話型を取り入れた対話やThinking toolによる思考力を高める学習指導、「見小の100冊」を初めとした読書活動の充実など、継続的に視野広く現代的課題に取り組んでいる点が評価された。家庭や大学との連携も充実しており、総じてそれらの取り組みが学力向上に高く貢献していると判断された。

プロフィール

見附市立見附小学校

団体概要

【創立】
1873年

【団体の規模】
児童・生徒数:682名クラス数:25指導者数:47名