博報賞

活動タイトル

外国人集住地域における学校を中心とした多文化共生の地域社会づくり

多文化まちづくり工房

国際文化・多文化共生教育部門|| キーワード:神奈川県
多文化まちづくり工房

活動内容

 私たちの活動地である県営いちょう団地は、大和市にインドシナ難民定住促進センターなどがあったことなどもあり、ベトナムやカンボジア、ラオス、中国、南米など様々な地域出身の多くの外国人住民が生活し、共生のための様々な取り組みが行われていることで注目されている地域である。
 そのような地域において、多様な文化背景をもった人たちがそれぞれの個性を出し合い、共に楽しく暮らせる「まち」をつくることを目的として活動している。同じ時間と空間を共有する仲間として、様々な文化背景を持つ人たちと関わりつつ、団地の自治会や地域の学校、周辺のボランティア団体等との連携も密にしており、活動を通して人を育て、まちづくりをするという視点で取り組んでいる。具体的には次のような活動を行っている。
① 日本語教室
② 小・中学生の学習のサポート(小学校との協働による放課後学習教室や中学生の学習サポート、高校進学ガイダンスの実施、小・中学校の授業・活動への参加・サポートなど)
③ 生活相談・居場所づくり(週3回の生活相談、子育てサロンの開催、様々な背景を持つ若者たちが集まるサッカーの実施など)
④ 多言語情報提供(学校からの通知、自治会回覧板、団地内の表示等、様々な生活・地域情報の提供など。いちょう団地で育ち、多文化まちづくり工房の活動に関わってきた外国籍の若者が翻訳などを担う。)
⑤ 多文化理解(いちょう団地祭りへの参加、多文化共生交流会など)
⑥ 地域ネットワークづくり(地域の自治会・住民、学校、保育園、団体、行政機関など関係機関とのネットワークミーティング、懇談会など) 
現在の団体の形になったのは2000年だが、活動そのものは1994年にさかのぼり、継続的な活動の中で、日本語教室や学習補習教室の参加者だった子どもたちが大学生や社会人へと成長しており、そういった若者たちが教室の指導、多言語情報提供の際の翻訳など、自らの体験を活かし、新たな担い手となりつつあることは私たちにとっても地域にとっても大変大きな成果といえる。
【写真】日本語教室などの活動に関わる人たちが集まり、恒例のバーベキュー



審査委員より

外国にルーツを持つ住民が多いことで知られる神奈川県営住宅いちょう団地の地域を拠点に、草の根の地道な多文化共生への取り組みを続けてきた。外国にルーツを持つ小中学生の学習支援や地域の小中学校でのサポートから、子どもたちの周辺環境の整備(例 地域ネットワークづくり)まで、広がりのある活動を継続してきたことの意義は大きい。

プロフィール

【創立】
2000年
【団体の規模】
・名児童・生徒数:1教室あたり約15~60名
・クラス数:週10教室程度
・指導者数:ボランティア約40~60名