博報賞

活動タイトル

多くの文化を認め合い、共に生きようとする子どもの育成~多文化共生をめざして~

北九州市立小倉中央小学校

国際文化・多文化共生教育部門|-| キーワード:福岡県
北九州市立小倉中央小学校

活動内容

 本校は1999年度に、文部省(当時)の外国人子女教育受入推進地域指定事業センター校の指定を受けた。それ以降、今日まで学校をあげて研鑽に励み、国際理解教育を推進してきた。現在、北九州市の帰国・外国人児童生徒教育センター校として、外国人児童との交流や海外の教育関係者の視察を積極的に受け入れている。中国大連市玉華小学校とは友好校として、公的な協定書を交わしている。
 本校には日本語教室が設置されており、関係諸機関との密接な連携を図りながら、個に応じた適切な指導を行っている。本校に編入学する帰国・外国人児童は年々増加する傾向にある。JSLカリキュラムを導入したきめ細かな日本語指導により、日々の学習内容を理解するための力を、確実に育成することができている。学校生活への適応指導を並行して行い、円滑な対人関係が構築されている。
 児童会活動の特色として、国際共生委員会をあげることができる。掲示板を始めとして校内環境の整備、全校児童の国際理解を促す取り組みを推進している。昨年度は、ペットボトルのキャップを集めて、ポリオワクチンを発展途上国に贈る運動を展開した。それらの国々の現状に触れ、自分達にもできる国際協力の輪を広げていった。1年間で39人分のポリオワクチンを贈呈できた。
 一昨年度及び昨年度は、文部科学省委嘱・委託による研究発表会を盛大に開催し、過去10年間にわたる本校国際理解教育の集大成を行った。世界に対する見方・考え方を深め、国際社会で共に生きようとする児童を育成した。文化理解、国際協力・貢献、コミュニケーション能力の視点に立った国際理解教育の内容を、発達段階に応じて構成し、指導法の工夫改善を図った。中国語によるホームページ作りから始まり、ロシアからの編入児童のために、ロシア語の学校生活ガイドブックや、校内に掲示するポスター作製へと発展していった。児童の感想文には、「大変だったけれど、完成してようやく国際協力という言葉の意味が、分かったような気がする。」と綴られていた。

【写真】
外国人児童に対する日本語教室での算数科授業風景



審査委員より

1998年以来、帰国・外国人児童教育に取り組み、多言語、多国籍児童の在籍という「内なる多様性」を生かし、異文化理解、国際理解教育に取り組んできた。日本語指導だけでなく、教科領域、さらに英語活動にも及ぶ総体的な本校の国際理解教育は、児童の実態調査により常に改善され、国際共生委員会による自主的な国際協力活動にみられるような児童の自主活動を生み出すに至っている。

プロフィール

【創立】
1991年

【団体の規模】
・名児童・生徒数:406名
・クラス数:14
・指導者数:24名