博報賞

活動タイトル

学校と地域をつなぐあさり島~地元を愛する子ども・郷土「散布」を誇れる子どもの育成を目指して~

浜中町立散布小中学校

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:北海道
浜中町立散布小中学校

活動内容

地域の海や水産業、環境等の探究活動を通じた、地域の発展に貢献できる人材育成

北海道浜中町立散布小中学校は、地域住民の皆さんや漁業協同組合の皆さんとの連携により、アサリの養殖を中核とした総合的な学習の時間を展開し、大きな成果を上げてきた。
小学校1・2年生は、生活科などで藻散布海岸への親しみをもつことを大切にし、図画工作科では海に関する表現活動を行ってきた。小学校3年生以降は、総合的な学習の時間で豊かな学びを実現している。3・4年生は、海岸に打ち上げられるゴミを取り上げ、身近な環境問題とのつながりを考えている。5・6年生は、海洋の専門家と連携したり、沖縄県の中学校と交流したりするなどして学びを深めてきた。とりわけ小学校5年 生から中学校3年生では、「あさり島活動」を行っている。散布漁業協同組合や保護者の協力の下、アサリの稚貝の放流、外敵の駆除、アサリの採取・出荷を担い、そこではアサリの流通を学び、実際に資金を獲得すると共に、その資金での社会貢献活動を行うなどを実践してきた。
こうしたアサリを中核とした地域独自の教育活動を展開する中で、地域の人とつながり、地域を深く理解し、地域への親しみと愛着を抱くようになってきている。また、一連の取り組みは、学校と地域や保護者との信頼関係を確かにするとともに、地域の活性化や地域の未来を担う人材の育成にも結びつくことが期待されている。

【写真】
あさり島におけるアサリの採取活動

審査委員より

地域の基幹産業であるアサリの養殖を中核に位置づけた総合的な学習の時間の取り組みである。散布漁業協同組合の協力の下、貸与された干潟(あさり島)を活用する中で、自然環境を保護する活動や海の環境保全に関する活動を継続的に行っている。地域の海や水産業、そこに暮らす人々の様子を探究することで、ふるさとへの愛着を深め、地域の未来とその発展を考える子どもが成長してきている。海洋教育は、海に囲まれた日本ならではの学びの姿であり、小学校1年生から中学校3年生までの学習活動とカリキュラムは、多くの学校の参考になるものと期待できる。

プロフィール

浜中町立散布小中学校

【代表者】
大和 洋一

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2010年

【団体所在地】
北海道厚岸郡浜中町

【HP】
https://www.townhamanaka.jp/tirippushochu/index.html
https://tirippuhamanaka.jimdofree.com/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体40名(小学生25名、中学生15名)
○指導者:内部15名、外部2名
〇協力者(ボランティア等):10名