博報賞

活動タイトル

モリアオガエルが教えてくれた、美しきわが町西宮市山口町のふるさと意識

西宮市立山口中学校 モリアオガエル保存会

日本文化・ふるさと共創教育|奨励賞| キーワード:兵庫県
西宮市立山口中学校 モリアオガエル保存会

活動内容

絶滅危惧種の保護活動を通して、地域の誇りや命の尊さへの想いを育む

本校では約50年前から、絶滅危惧種であるモリアオガエルの保護増殖活動を続けている。2018年からは、活動の中心だった理科部廃止に伴い、「モリアオガエル保存会」を発足。活動を郷土愛醸成や命の尊さへの想い育成につなげることを重視し、学校全体に浸透させるべく、取り組みを展開している。
モリアオガエルの保護増殖活動はボランティアの生徒を中心に行われ、毎年5、6月に環境保全調査と卵塊採集をした後、学校でオタマジャクシを飼育することから始まる。毎日朝夕の当番制で、乾燥しやすい卵塊に霧吹きでこまめに水をかけ、オタマジャクシにかえした後は人間用の「ベビーフード」を与えるなど、後肢が生え、天敵から身を守れるようになるまで約1ヶ月間育てる。7月にモリアオガエルを自然に戻した後は、活動の様子を理科や総合的な学習の時間で取り上げる他、祭りや地域イベントにも参加し、展示ブースを設けて活動の意義や目的を伝えるなど、学校内外で広く啓発・広報活動を展開する。こうした広報活動を通して、市内の小学校から環境学習の拠点にさせてほしいという要望や保護者から参加希望の声が上がるなど、地域の自然に対する想いやあり方に一石を投じる活動となっている。

【写真】
採集した卵塊を飼育小屋に吊す

審査委員より

理科部の廃止にも負けずに、モリアオガエルの保護増殖活動をボランティア活動という形で引継ぎ、さらに活性化している実践は高く評価できる。生徒たちの主体的な努力によって絶滅危惧種の生態系の維持が図られている。これにより保護活動だけでなく、自然を愛し郷土を愛する心を育んでいる。カエルの卵塊の採取からオタマジャクシの放流まで生き生きと取り組む姿は、誰から言われなくても率先して行動を起こし、自分がふるさとを大事にするという道徳的実践力の高まりを証明していると言える。

プロフィール

西宮市立山口中学校 モリアオガエル保存会

【代表者】
池上 達

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1969年

【団体所在地】
兵庫県西宮市

【HP】
http://kusunoki.nishi.or.jp/school/yamaguj/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:20名 ○指導者数:10名 ○協力者(ボランティア等):3名 ○開催ペース:5~7月はほぼ毎日、8~11月は2週間に1回程度