博報賞

活動タイトル

主体的に地域を学ぶ全児童参加型の会社「菅小ドリームワークス」

上田市立菅平小学校

教育活性化部門|-| キーワード:地域の魅力・情報を外部へ発信/ツール作成/ガイド農業/林業/水産業長野県
上田市立菅平小学校

活動内容

トウモロコシの栽培・宣伝・販売活動を通して、地域を知り、感謝の気持ちをもたせる実践

上田市菅平は高原野菜を中心とする農業が盛んな地域で、本校に対して保護者からは、農業を通して地域を支える人材の育成が求められてきた。しかし、子どもたちは高学年になるにつれ栽培活動に対する意識が低下し、教師の指示を待つ消極的な姿が課題となっていた。そこで、全校児童で地元のトウモロコシを栽培・販売する会社「菅小ドリームワークス」を立ち上げ、トウモロコシの栽培・宣伝・販売活動を通して、自然や地域とかかわりながら、主体的に活動できる子どもの育成に取り組んできた。
6年生は企画運営係として、その年の運営方針の決定、栽培・販売計画の立案、渉外などを担当。5年生は記録係として、作業内容やトウモロコシの生育状況を記録し、翌年の計画に役立てる。3・4年生は宣伝係としてポスターの制作や販売促進グッズの開発などのほか、テレビコマーシャルを制作して地元ケーブルテレビに放映してもらう。1・2年生は栽培係として、上級生に教えてもらいながら栽培方法や作業を学ぶ。活動によっては学年ごと、あるいは全校縦割り班で作業を行い、班の中では6年生がリーダーとして牽引役を担う。
縦割り班の活動により、上級生はリーダーシップや責任感を身につけ、下級生にとっては学年を越えて新たな人間関係が広がった。また3・4年生は、地域の人へのインタビューを重ねる中で、生産者のやりがいや思いにふれ、地域の方への尊敬の気持ちも芽生えてきた。販売も大盛況で、振り返りの場面では、勤労の喜び、大変さだけでなく、多くの方々に支えられて自分たちの生活が成り立っていることに気づき始めた感想も語られるようになった。
収益金の使途については、当初、自分たちでおいしいものが食べたい、楽しめるものが買いたいとの意見が大半だったが、人権講演会でタンザニアから日本に嫁いで来られた方のお話に感動し、タンザニアの孤児支援の活動に寄付するなど、子どもたちは社会全体へも視野を広げ始めている。

【写真】
マルチシートを敷いてトウモロコシ栽培の準備

審査委員より

観光と農業を主とする地域経済の実態をふまえ、全校児童参加によるトウモロコシ販売会社をたちあげた学習活動である。栽培・販売・広報などの学習活動を実社会のなかで展開することで、学習の必然性を高め、児童の学習意欲を継続させることに成功している。小規模校で人間関係が広がりにくいという課題を補うため、学年ごとの役割分担と、縦割り班活動を組み合わせた点、大人とのかかわりによって児童がどう成長したかがよくみえた点が評価された。

プロフィール

長野県 上田市立菅平小学校(うえだしりつすがだいらしょうがっこう)

【代表者】
名取 義仁(なとり よしひと)

【役 職】
校長

【創立】
1958年 (本地域では「独立年」を大事にしています)

【勤務校所在地】
〒 386-2204長野県上田市菅平高原1223-1419
TEL: (0268)-74-2014  FAX:(0268)-74-2507
E-mail:sugadaira@school.umic.jp
HP URL:http://www.school.umic.jp/sugadaira/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童・生徒数:52名 ○クラス数:6 ○指導者数:8名