博報賞

活動タイトル

「人間力を育む」=社会人基礎力育成のための実践的保育

共同学童保育所 虹の子クラブ

教育活性化部門|-| キーワード:遊びや交流のなかで学ぶ・心を育てる/体験的な活動京都府
共同学童保育所 虹の子クラブ

活動内容

 子どもがメンバー、子どもがリーダー。「子どもたちの王国」はきょうも元気いっぱい!
 「虹の子クラブ」は、京都の昔ながらの町並みが色濃く残る京都市上京区にある共同学童保育所。たんなる放課後の預かり場所としてではなく、積極的に「子育て恊働体」として設立、32年目を迎えた。
 初めて子どもを預ける保護者は、約70名もの子どもたちが京町屋でひしめきあって遊んでいる光景に一様に驚くそうだ。スローガンは、子芋が大きくなるに連れて親芋も大きくなる"里芋のような親になろう"で、保護者たち全員で子どもたちを育てる「子育て恊働体」が運営されている。そして30年を超えて発展してきた大きな理由が「虹の子五原則」。①学び合いの原則、②客なしの原則、③地域開放の原則、④遠距離通所に配慮した運営、⑤指導員こそ宝、この5原則が「子どもたちの自治」のために運用され続けてきた。
 「子どもたちの王国」づくりを、子どもたち自身の手でやらせる=子どもたちの自治活動のために。たとえば高学年になると子どもたちによる総選挙で遊びの達人が班長に選ばれる。ここでは伝統的な遊びや独自に工夫した遊びが上手い人が尊敬を集め、リーダーとなる。
 年間の行事としては3年生が1~2年生を引率して高学年を迎える自覚と自律を身につける「春合宿」。4年生が自分たちで挑戦してみたいことを計画して挑む「4年チャレンジ」。地域との交流を深める「秋祭り」。高学年が自分たちの計画力・実行力・交渉力を最大限に発揮して行う「高学年キャンプ」など、成長段階に応じたプログラムによって、子どもたち自身がこれからの時代を生き抜くたくましさを身につけるように考えられている。最近の高学年キャンプでは、彼らは自らチャレンジ精神を発揮、手作りボートによる長距離の川下りなどを実践したが、そうした「子どもたちによる自治」活動が次の低学年へと受け継がれ、「虹の子クラブ」での総合的な人間力育成システムを生み出し、次世代の育成へとつながっている。

【写真】
仲間に見守られ、果敢にジャンプ!(高学年キャンプ)



審査委員より

子どもの自主性を尊重するという確固たる教育理念に基づいた地域ぐるみのユニークな学童保育の取組みである。子どもたちの主体性や社会性が育まれるような「人間力を育む実践活動」が草の根的で協同的な組織運営によって長年にわたりダイナミックに展開されている。

プロフィール

京都府 共同学童保育所 虹の子クラブ(きょうどうがくどうほいくじょ にじのこくらぶ)
【創 立】
1982年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 73名 ○クラス数 :1 ○指導者数 : 5名