博報賞

活動タイトル

相撲を中心とした、子ども・保護者・住民の連携による学校づくり・町づくり

松本市立源池小学校

教育活性化部門|-| キーワード:伝統芸能/民俗芸能/伝統行事(祭事、神事など)を活用教育活動の場の形成・環境づくり長野県
松本市立源池小学校

活動内容

 大相撲を書道や作文の授業と関連させて、さらには地域の活動へも拡がりを持たせている。
 源池小学校で開催される「大相撲源池場所」は、今年15周年を迎える。小学校1年から6年までの全校男女が全力で取組むのがこの大相撲。対戦当日の勝ち負けばかりではなく、その準備から実施、また広報から地域への働きかけまで子どもたちが自ら取組んでいる。
 まず4月、全校あげて授業で体力づくり、相撲の取組、あいさつと礼儀作法、作文の書き方を学ぶ。5月は修学旅行で両国国技館の大相撲5月場所の観戦をして実際に力士相撲を見て学習を深める。また同じ5月から全校生徒303名が「力士名」を考え、習字の時間に書く。低学年は家族で考えるが中学年になると自分で考える。たとえば悠太君は「悠天王」とか、梅本君は「梅の里」など、名字や名前の一部を工夫して決めていく。
 場所当日の主な招待者は日頃お世話になっている地域住民(高齢者、防犯パトロールの方々、読書ボランティア、花作りボランティアなど各種団体)、一人暮しの老人と保・幼の園児への招待状を国語の時間の作文指導の中で書き、児童がそれぞれに手渡す。相撲の取組の中で勝者への「懸賞金」では、子どもたちは本校で長年取組んでいる活動(ボトルキャップリサイクル、紙の再利用、あいさつ運動、自分たちで育てた花の配布など)を模造紙に書きあげ、場内を回って全校児童や地域住民に呼びかける。
 子どもを中心とした学校づくりは、たんに学校教育だけでは成し得ないとの想いから国技である「相撲」に取組み子どもたちが相手の立場になって考え行動できる思いやりの精神を育てることをめざして15年。「大相撲源池場所」では1対1の真剣勝負の後、勝敗に関係なく友の熱戦に大きな拍手をお互いに送り合い、たたえ合う姿から、「人を愛して身を正し、強い心で生きていく」学校目標の生きる力が身につき、自己肯定感が高められている。

【写真】
自分や家族で考えた力士名を、行司が呼び出し



審査委員より

豊かな自然環境のもとで保護者や地域と連携しながら展開されているユニークな取組みである。とりわけ、10年以上にわたる「大相撲源池場所」の活動は、書道や修学旅行とも関連した統合的なカリキュラムとして定着していると同時に、地域交流の豊かな機会になっており大変意義深い。

プロフィール

長野県 松本市立源池小学校(まつもとしりつげんちしょうがっこう)
【創 立】
1904年5月28日
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 303名 ○クラス数 : 16 ○指導者数 : 23名