博報賞

活動タイトル

生きる力を育むためのアントレプレナーシップ教育の実践

米沢市立南原中学校

教育活性化部門|-| キーワード:山形県
米沢市立南原中学校

活動内容

近年、文部科学省の学習指導要領では「生きる力」を育むことが基本理念として掲げられている。このような社会的な要請に応えるために、本校では「総合的な学習の時間」にアントレプレナーシップ教育(起業家教育)を取り入れ、全校をあげて子どもたちの「生きる力」の育成に取り組んでいる。本校では、問題発見解決能力・創造力・コミュニケーション能力・自己実現力を育成するために、地域に根ざした活動を通して、3年間のスパンで学習を組み立ててている。1年次には地域研究やPCスキルの基礎学習を、2年次には「わくわくカンパニー」として会社を立ち上げ。地元の素材やモチーフを生かした商品を企画し、製造、販売、決算という一連の流れを体験していく。3年次には2年次の学びをふまえ、総仕上げとして一段と高いレベルでの成果を求め、学習を深化させていく。それぞれの会社には活動を支援する教員が配置され、子どもたちはもちろん、教員自身も子どもたちと共に試行錯誤を繰り返しながら、さまざまな問題を解決し、協同の学びを深めていく。また、毎年12月には、1年生から3年生までの縦割りグループを作り、グループごとに校内総合発表会を実施している。これは学年という枠を超えて交流し、相互に学び合うことを目的としているためである。さらに、1年の活動の締めくくりとして、外部のコンテストに応募し、学習の成果を学外に向けて発信している。現実の問題解決を重ねていく実践的な学びの中で、子どもたちの「生きる力」が着実に育ってきていると感じている。これは商品のユーザーを意識したものづくりや、自分たちの成果を外部に発信する活動など社会との関わりを持たせた活動を通して、失敗や成功の体験を共有していくこと、また、学年や教師と生徒という枠を超えた協同的な学びを通して、ひとりひとりの子どもたちが自律的な学習者として学びを深めていることに起因すると思われる。

【写真】
広辞苑を使った「たほいやゲーム」でことばの世界を広げる



審査委員より

「起業家教育」の真正で斬新な取り組みである。学校全体の取り組みとしてよく組織化され、意図的で計画的な取り組みが行われている。生徒にとっては目的が明確であり、1年次の起業家教育の基礎学習、2年次の会社設立と商品開発、3年次の総仕上げとしての会社設立等のスパイラルな展開により、生徒の資質・能力や態度が高まっている。

プロフィール

【創立】
1956年

【団体の規模】
・児童・生徒数:159名
・クラス数:8
・指導者数:20名