博報賞

活動タイトル

NPOと自治体の協働による特別支援教育の推進

特定非営利活動法人エッジ

特別支援教育部門|| キーワード:東京都
特定非営利活動法人エッジ

活動内容

通常学級内における特別支援教育が2007年4月から本格的に開始したが、全国にあるすべての学校に普及するまでは時間がかかる。港区をモデルとして、2003年度から地域内のリソースを活用した特別支援教育の推進のため、行政のいくつかの部署と協働で検討委員会を開き、地域の実情に合った活動を構築した。
 2005年から区のパートナーズ助成金を獲得して、独自のプログラムを組み、学習支援員の養成講座を実施している。2007年度末までに170名の学習支援員が生まれている。また個別支援室では情報や教材をそろえている。2006年度からは学習支援員を区立の小中学校へ配置する事業を委託されている。2007年度は55学級に対して約70名の支援員を配置した。効果は対象となる児童生徒だけではなく、クラス全体や周りで困難さを示す児童生徒へも及んだ。
 他の自治体などにも波及できるモデルの構築、通常学級内でちょっとした支援を必要としている児童生徒に診断名のあるなしに関わらず、ニーズに合った支援ができる人材の育成、気軽に相談できる機関の設置、支援をすることにより、児童生徒のニーズに合った支援を目指した。その結果として港区内における発達障害と特別支援教育についての啓発が進み、きめ細やかな対応が可能となった。また今後全国への普及に力を入れる。 質の違う行政とNPOが双方の役割を分担し、取り組んだ。モデルを構築する際に地域の特性を充分に考慮し、ニーズにあった仕組みを提供することができた。また、充分な準備をしてから取り組んだことにより成果があげられた。実践を通じて効果をあげることができたことで、学校現場からの受け入れも改良された。
 行政とNPOが対等な立場で協働するためには、お互いに相手の立場を理解し、やり方の工夫をしなくてはならない。また、行政側の担当者が異動してしまい、連続性を確保することが大変である。制度としては存在するが、精神の部分があいまいになってしまうことがある。また、学校内に教員免許を持たない人が入ることに対する抵抗感や、発達障害や仕組みに対する理解不足などがあったが克服した。

【写真】
「愛をはこぶ人キャンペーン」マッケンジー・ソープ氏とのワークショップ



審査委員より

特別支援教育に関しての長い啓発活動、特に、NPO法人として、地域の自治体と協働し、特別支援教育の具体的支援としての個別支援室の開設・運営、また、学習支援員の養成・派遣など、民間参加型のモデルとして、その先駆的取り組みは高く評価される。この活動モデルは、全国的にも大きな影響力を持つ点でも注目される。

プロフィール

【創立】
2001年

【団体の規模】
・児童・生徒数:延べ700名
・クラス数:55
・指導者数:支援員170名(2008年7月現在)講座講師約40名