第55回「博報賞」奨励賞受賞
[愛知県]岡崎市小中学校現職研修委員会 長期欠席対策部会
愛知県岡崎市教育委員会は、2020年度から増え続ける不登校児童生徒の問題に対し、本格的な取組を始めました。「子どもを学校に適応させるのではなく、学校が子どもに適応する」という理念を掲げ、まず、市内3つの中学校に校内フリースクール「F組」を設置し、学校生活に悩みを抱える生徒が安心して過ごせる居場所を、学校内につくりました。その設置数は徐々に増え、2023年度には市内全中学校に拡大、今年度からは市内小学校3校への設置に取り組んでいます。また、昨年度からは夜間なら通学できる生徒のために夜間学級「S組」も試験的な設置を開始しています。
F組を運営するにあたっては、経験豊富な教員を担任として配置し、さらには市独自の予算で支援員を配置することで、活動を継続していくための実施体制を構築してきました。
活動を通して、心理的な安全性が確保された環境下で、自己決定や小さな成功体験を積み重ねた結果、児童生徒が自己肯定感を高めていく姿が見られるようになっています。また、長期欠席児童生徒に「ネガティブな印象」を持っていた教師たちのまなざしが変わり、「専門的で個別最適化された学びを創出する場」としてF組を捉えるようになりました。その影響は他の児童生徒にもおよび、誰にでもその人なりの事情があるという前向きな相互理解が広がりつつあります。


※記載の所属・役職は、受賞当時のものです。
博報賞とは
「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など
現在、第56回「博報賞」の応募を受付中です!(応募受付期間:2025年4月1日~6月25日 ※財団必着)
詳細は博報賞のページをご覧ください。
*博報賞に関するお問い合わせ先
hakuhoushou@hakuhodo.co.jp (博報賞担当宛)