博報賞

第53回「博報賞」贈呈式・祝賀会報告

第53回「博報賞」贈呈式・祝賀会

日時:2022年11月11日(金)16:00~
会場:日本工業倶楽部会館(オンライン併用)

日本工業倶楽部会館にてオンラインを併用し、感染症予防対策を講じた上で、第53回「博報賞」贈呈式・祝賀会を開催いたしました。
贈呈式は厳粛な雰囲気の中、21組の受賞者様へ贈賞が行われました。
祝賀会は、交流の部と黙食の部を分けて実施。審査委員の先生方や参加者同士の活発な情報交換の場となりました。

戸田裕一理事長挨拶

第53回「博報賞」 贈呈式にあたり、ひと言ご挨拶申し上げます。
本日、多くの受賞者様、ならびに関係者の皆様にご出席いただけますこと、深く感謝申し上げます。

また、8名の審査委員の先生方をお迎えし、文部科学省から初等中等教育局 菅野和彦(かんの かずひこ)視学官のご臨席を得まして、ここに第53回「博報賞」贈呈式を執り行えますことは、誠に意義深いことであると存じます。

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的として、当財団設立とともにつくられました。日々、教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根の優れた活動と貢献」を顕彰しております。「ことばの力を育むことで、子どもたちの成長に寄与したい」そんな想いを核として、子どもたちの豊かな人間性育成を祈念し、支援を続けて参りました。

本年度も数多くのご応募・ご推薦を賜り、審査委員の先生方による厳正・的確なご審査を経まして、11件の博報賞および、6件の功労賞、4件の奨励賞を贈呈する運びとなりました。
依然として新型感染症の影響が色濃く残る大変な状況下にもかかわらず、ご応募・ご推薦いただきました皆様に対し、また、審査、選考の労をお取りくださいました審査委員の先生方に対しまして、改めて厚く御礼を申し上げます。

ご受賞者の皆様方、お一人お一人の多大なるご尽力と貢献に微意を表しますために、正賞としての賞状と、些少ではございますが、副賞をお贈り申し上げ、顕彰させていただきたいと存じます。

本日ご受賞の皆様方と関係者の皆様方におかれましては、ご健康にご留意いただき、皆様方の後に続いて活躍される、数多くの教育者の良き先達として、また、子どもたち一人ひとりの笑顔と未来のために、今後益々のご活躍を祈念いたしまして、ご挨拶といたします。

森山卓郎 審査委員長 早稲田大学教授
審査経過報告

それでは、審査経過の報告をさせていただきます。
第53回「博報賞」には、全国都道府県の教育委員会をはじめ、児童・生徒の教育に携わる多くの有識者の皆さまから、61件のご推薦・ご応募を賜りました。

本年8月に審査委員会を開催し、皆さまの取り組みを一つ一つ充分に時間をかけて、慎重に審査させていただきました。
その中から、子どもたちの主体性を引き出し、「教育実践の活性化」を果たしている先駆性・独自性のある取り組みで、なおかつ「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」として、11件を博報賞に選出いたしました。

また、功労賞6件と奨励賞4件を選び、正式決定とさせていただきました。
さらに、博報賞受賞者の中から、文部科学大臣賞といたしまして、

新潟県 糸魚川(いといがわ)市立木浦(このうら)小学校 様
「『わくわくプロジェクト』による主体的に挑戦し続ける子どもの育成」

愛知県 音訳ボランティア 虹の橋会 様
「目の見えない子どもたちに本の読み聞かせをすることで心を通わせる」

高知県 高知市立義務教育学校 土佐山学舎(とさやまがくしゃ) 様
「土佐山学舎小さな学校の大きな挑戦~土佐山学と英語教育の深化を目指して~」

以上、3件を推挙させていただきました。

今回、ご受賞の皆様、本当におめでとうございます。
せっかくの機会ですので、この機会にささやかながら、ひとこと、お祝いと感謝の言葉を捧げさせていただきたいと思います。

実は、漢字の話なのですが、「博報賞」の「博」の右側の旁の部分は、「専門」の「専」と似ているようで、違います。「専」には「、」がないのです。漢字学習での注意点ですが、なぜなのでしょう。
答えは単純で、もとの字が違うからです。「博」の旁の上の部分は田圃の「圃」の真ん中の部分と同じで、田に苗を植える意味だったとされています。そこから、畑などの意味になり、広い、という意味をもつようになって、「博」の字になっていったと考えられます。この博報賞には「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」ということが謳われておりますが、まさに「博」「報」の字のごとく、ご受賞の取り組みをぜひ広く全国に広げ、発信をしていただきたいと願っております。
一方、点のない「専門」の「専」ですが、これも、博報賞には関わりがあると思います。「専」の字の上の部分は、糸巻きを表すものとされています。糸をひたすら巻いていくのは、まさに、「専ら」という意味につながることですが、まさにそのように、子どもたちのために、時間をかけて、丁寧に、地道に、しっかりと、たゆまず教育実践に取り組んでこられたという日々が、このご受賞の裏側にはある、と拝察いたします。本当に、尊いことです。心から敬意を捧げたいと存じます。

最後になりましたが、ご受賞後も、お忙しい日々をお過ごしになると存じます。皆様のいっそうの御自愛を心からお祈り申し上げます。
本日は、栄えある博報賞のご受賞、まことにおめでとうございます。

以上、簡単ではございますが、審査経過の報告とさせていただきます。

    文部科学省 初等中等教育局 菅野和彦 視学官 文部科学大臣 祝辞 代読

    各賞 賞状贈呈

    受賞者代表挨拶

    祝賀会