博報賞

活動タイトル

小学校全学年における短歌創作指導の取り組み

柳原 千明

国語教育|功労賞| キーワード:岩手県
柳原 千明

活動内容

 「小さな歌人」たちを生み出す

短歌創作を通して国語科教育実践を地道に推進してきた実践者である。思ったこと、経験したことを子どもたちがことばにして表現する実践を長期間にわたり、継続的に取り組んできた。
子どもたちが互いの作品のよさを見つけ合いながら、書くこと、読むこと、詠むことに慣れ親しんでいく様子が、受賞者の著作『小さな歌人たち 短歌はだれにでも易しい』(溪水社,2021年)に示されている。子どもたちがことばを選び、五七五七七の短歌定型に表す学習を積み重ねることで、ことばに対する意識や自覚が生み出されたことが随所に描かれている。受賞者が抱いておられた子どもたちへの温かい思いと短歌創作実践を続けてきた ことが実を結んだ、受賞者と子どもとの共作である。
受賞者の取り組みは子どもたち自身がことばを選び、自分自身の思いを表現できる「小さな歌人」たちを生み出した。小学1年生から6年生までの短歌作品は取り組みの成果であり、子どもたちの柔軟な感性を伝える感受性の賜物である。そして、それらの作品が短歌は「だれにでも易しく」「だれにでもつくることができる」ことを表しているのである。
音読などの下地づくり、地域教材の活用、歌会などの児童と指導者による「協働の学び」実践の積み重ねが児童の豊かなことばを育んだ足跡は貴重であり、これからの教育実践に取り組む人々に多くの手がかりをもたらす。

【写真】
歌会の授業―音読場面―

審査委員より

短歌創作を通して児童のことばの力を育てるための多角的な国語教育実践を地道に推進してきた実践者である。考えたことや思ったこと、経験したことを、児童がことばにして表現する実践を長期間にわたり継続的に取り組んできた。児童がことばを選び表現することを繰り返すことで、一人ひとりのことばに対する意識や自覚が生み出されたことが、受賞者の教育実践をもとにした著作の随所にあらわれている。音読などの下地づくり、地域教材の活用、歌会などの児童と指導者による「協働の学び」実践の積み重ねが児童の豊かなことばを育んだ足跡は貴重であり、功労賞に値する。

プロフィール

柳原 千明

【所属先役職】
花巻市立桜台小学校 教諭

【活動開始時期】
2004年

【団体所在地】
岩手県花巻市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:30~100名(小学生30~100名)
○指導者:内部1~3名