博報賞

活動タイトル

地域と共に協働し、共生社会の形成へつながるカフェ活動の実践

南魚沼市立総合支援学校

特別支援教育部門|博報賞| キーワード:障がい理解推進/心のバリアフリーキャリア教育/商品の企画・製作・販売/会社/カフェ新潟県
南魚沼市立総合支援学校

活動内容

自立と社会参加を目指し、生徒の自信と誇りを育む地域に根ざした活動

南魚沼市立総合支援学校は、2013年、「地域の子どもは地域の学校で」という関係者の想いから開校した。「まち全体をキャンパスに!」を合言葉に、年間300回を超える校外学習を実践している。
その一つが出張カフェ「MSGカフェ」の活動である。「お客様に喜んでもらえるような、笑顔あふれる丁寧な接客をしよう」という目標を掲げ、「レジ部門」「カフェ部門」「製品部門」の3部門を設定。リーダーの育成につながる取り組みとして、部門ごとに主任を設け、生徒が主体的に役割分担を決定することで、責任をもって仕事に向き合う姿が見られる。さらに生徒たちは、外部講師から立ち姿勢、接客用語、笑顔などの本格的な講習を受け、繰り返し学習を積む。少しずつ自信をつけることで、カフェ活動に対する生徒たちの意欲向上につながっている。
MSGカフェ全体は高等部中心の活動であるが、中学部生徒が製作した陶芸作品の販売をしたり、小学部児童がお買い物学習としてMSGカフェを利用したりと、学校全体でMSGカフェに関わっている。また、地域の人々も生徒たちのカフェ活動を通して、障害に対する理解を深め、総合支援学校の教育活動に積極的に協力するなど、相互支援のかたちが醸成されてきている。

【写真】
南魚沼市立図書館でのMSGカフェ

審査委員より

南魚沼市立総合支援学校高等部における教育活動の柱の一つとして、平成25年度の開校時から今日まで継続している取り組みである。特別な教育支援を必要とする生徒らが、地域住民へのコーヒー等の提供と販売活動(MSGカフェ)を通して、着実に生きる力を獲得し自己肯定感を高めている。学校内だけでなく市の図書館、美術館、さらに民間の旅館、鉄道客車内等を教育活動の場とするなど、地域に根ざした教育活動は貴重である。生徒が地域社会の一員として活動するなど、共生社会の実現に向けた地域づくりに果たす意義は高く評価できる。

プロフィール

南魚沼市立総合支援学校

【代表者】
北島 豊

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2015年

【団体所在地】
新潟県南魚沼市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:88名(小学部23名、中学部26名、高等部39名) ○クラス数:22クラス ○指導者数:53名