博報賞

活動タイトル

産学官民連携による社会人特別授業の推進

一般社団法人 教育総合支援機構 ゆわう

教育活性化部門|| キーワード:学社融合宮城県
一般社団法人 教育総合支援機構 ゆわう

活動内容

学習指導要領に沿った社会人特別授業を、行政・学校・企業・市民の連携で実施・運営

 企業のもつ技術や知識を授業に応用することで、学習することがらが実生活で生かされていることを学び、子どもたちの興味・関心・意欲を引き出すこと、また、講師の日常業務の片鱗に触れさせ仕事や社会に対する興味をもつきっかけを作ることを目的として、社会人講師の特別授業の実施運営、全体のコーディネートを行っている。単元と実社会を関連づけた授業プログラムは、学習指導要領に沿っているため、正規の授業として活用できる。宮城県内のほとんどの市町村教育委員会と連携し、プログラム数は現在26、毎年100校を超える小学校で5・6年生が受講しており、受講児童数は5千人を超えている。
 活動の特色としては、まず行政・学校・企業・市民がともに本事業の目的、コンセプトに共感し、気持ちを一つにして取り組んでいることが挙げられる。さらに授業プログラムは文科省の学習指導要領に基づき、仙台市教育センターの指導主事や小学校教員の意見を取り入れて構築することで、どの単元でどの企業の技術・知識を応用すれば子どもたちの学びと企業の特色双方を引き出せるかを考慮したプログラム開発となる。また、内容は単なるパッケージとはとらえずに、必ず学級ごとの単元の進捗や理解度に合わせて調整し、授業を実施する。企業の側で揃える教材も教育現場の声を反映して、多くはその都度必要に応じて専用に開発している。
 成果としては「興味がわいた。また社会人講師の特別授業を受けたい」など、授業理解の促進や興味関心の向上が見られた。また「自分の知らない職業の存在を知った、また会社はさまざまな役割の人の集まりであることを知った」など、キャリア教育の役割も果たしている。
 一方、参加企業にとっても、子どもたちとふれあい、社会人の手本であると実感することから、業務へのモチベーションの向上や、またプレゼンテーション能力の向上も報告され、CSRの一環としても定着している。

【写真】
流水実験を行い、川の周りの様子を観察



審査委員より

実社会と関連づけた「理科実験」を媒介として社会人と交流する多様な場を提供し、児童の学習意欲を高め、キャリア教育としても貢献している。仙台市教育センターとの連携により正規の授業として活用可能な点も現実的である。「学社融合」のモデルになりうるダイナミックな組織的実践として高く評価できる。

プロフィール

宮城県 一般社団法人 教育総合支援機構 ゆわう(いっぱんしゃだんほうじん きょういくそうごうしえんきこう ゆわう)

【代表者】
菊池 武剋 (きくち たけかつ)

【役 職】
代表理事

【創立】
2014年

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○実施校 : 675名 ○受講児童 : 41,125名(2007年度からの延べ実績) ○運営スタッフ : 10名