博報賞

活動タイトル

幼小中の連携による配慮の必要な児童に対する効果的な通級指導システムの導入

神戸市通級指導教室設置校園長会

特別支援教育部門|-| キーワード:通級指導/共同・交流学習兵庫県
神戸市通級指導教室設置校園長会

活動内容

 幼小中の教諭がともに教室運営を行うことで、早期から効果的な対応が可能となった。
 神戸市の通級指導教室は、幼稚園教諭と小・中学校教諭がともに教室運営を行い、一人ひとりの障害の状態や年齢にとらわれないような教育相談・通級による指導を実践してきた。
 活動の特徴としては、12教室(自閉症通級指導教室が5教室、きこえとことばの教室が7教室)設置されていることにより、幼児・児童生徒は居住地域で保育や教育を受けながら、個々の課題に応じて通うのに負担のない教室に通い、教育相談・通級による指導を受けることができる。子どもたちの在籍する学校・園・所においてもその指導の効果が発揮されることにつながるように必要に応じて連携を取ったり、巡回指導などで助言したりしている。
 通級による指導は、所属する3歳以上の幼児・児童・生徒を対象としている。保護者の想いに可能な限り寄り添えることができるように神戸市通級指導教室は整備されてきた。教育相談の申込は、とくに、就学前の5歳をピークに4歳未満の子どもたちが多くなる。就学以前の子どもたちに対応することで、保護者の不安は軽減され、また、配慮の必要な子どもたちへ早期から対応することにより、集団での適切な関わり方や子どもの特性等に気づくことができる。幼児期からの支援は、その後の学校生活につなげる支援の第一歩となることも多いため、就学後の学びの場につながっている。
 神戸市通級指導教室のこうした取組みにより学校生活・学習集団へスムーズに適応できるケースが増えている。また就学前に課題に向き合えることで保護者の適切な就学判断へ寄与している。
 教育相談を含め昨年度末までで約1,700件以上の対応実績があり、その数は年々増える傾向にある。本年度からは通級指導担当者が地域別に支援する体制、いわばデリバリー型の支援を行うシステムを整えた。今後も「動く通級指導」の機能を充実させていく。

【写真】
湊川多聞小学校「きこえとことばの教室」看板



審査委員より

半世紀前の1966年から、市として通級による指導に着手し、取組みを継続してきている。特に、この市の特徴として、小中学校のみならず、幼稚園においても通級による指導の担当者を置き、取組んできている。このことが、近年の特別支援教育の時代になり、一層貴重な取組みと認識され、特に、発達障害のある幼児の段階での早期の発見と支援、幼少中の一貫した支援等に大いに貢献している。

プロフィール

兵庫県 神戸市通級指導教室設置校園長会(こうべしつうきゅうしどうきょうしつせっちこうえんちょうかい)
【創 立】
1966年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○クラス数 : 通級指導教室設置教室12 ○指導者数 : 通級指導教室の指導者数57名