博報賞

活動タイトル

聴覚障害児教育における器具開発、全国的指導などの貢献

松木 澄憲

特別支援教育部門|-| キーワード:千葉県

活動の目標・方針

豊かな心を育むために、残存聴力を最大限に活用し、発音指導を通して望ましい音韻表象を形成し正しい日本語を身につけさせる。

活動内容

聾学校の教師として、聴覚口話法の聴覚活用、発音指導を軸とした言語指導の第一線に立ち、長年、聴覚障害児の教育に携わった。聴覚障害幼児の指導体験から開発された「発音の診断と具体的指導法のプログラム」「聴覚管理と補聴器フィッテイングのプログラム」は全国の聴覚障害教育関係者に広く活用されている。 0歳からの聴覚活用をはかるよう開発された「ベビーベッドやチャイルドシートに簡便に装着できる幼児用補聴装置」についても障害を持つ子の親から、利用希望や期待が寄せられている。退官後は、ボランティアとして「移動母子教室」の講師として、全国の聾学校、施設において、実践に基づく講話により、現場の教師や保護者の指導にあたっている。また退官前後にわたり、国際会議において日本の聴覚障害教育の現状報告、指導法の紹介に力を尽くした。



審査委員より

聴覚障害教育において聴覚活用、発音指導に関わる機器やプログラムの開発・応用に多くの功績があった。聾学校職員としてまた福祉協会職員として、全国各地での保護者や教員への講話などを通して聴覚障害教育の振興と福祉の増進に努めた。さらに聴覚障害教育の国際会議に毎回参加し、日本の聾教育について発信してきた長年の活動も評価された。

プロフィール

松木 澄憲((財)聴覚障害者教育福祉協会 講師)

主な著書・論文・文章など

1986年 「聴覚障害幼児指導の基本と実際」 (分担執筆) 聾教育研究会
1988年 「重度聴覚障害児の教育」 (分担執筆) 聾教育研究会
1989年 「聴覚活用ハンドブック」 (分担執筆) (財)心身障害児教育財団
1992年 「聴覚障害教育の手引き」 (分担執筆) 文部省
2001年 「心と暮らしの子育て」 (財)聴覚障害者教育福祉協会