どんな読み手を指定するか。切実な思いをストレートに感じられるか。本の選考に、驚きや強いこだわりを感じられるか。その本の本質、社会的な話題を子どもなりの目線と言葉で訴えているか。それらに注視して選びました。

特定の誰かに向かって言葉を深く考え、文章を紡ぐ。SNS全盛の今の時代だからこそ大切で、素敵なことです。私は「自分より相手のことを大切に思って、この言葉が生まれたんだな」と感動したものを基準に選びました。

自分を自由にして、どんな良さでも迫ってくるものがあれば選びました。作品の良さも多様で、感嘆させられました。選ばれた作品でおすすめされている本が、もっと多くの人々に読まれるようになることを期待します。

ジェンダーなどのテーマを自然に語っていることや、おすすめしたい相手として、悩んでいる、疲れている、変わりたいといった人が多く出てくることに驚きました。その中で、「この作者と話したい」と思う作品を選びました。

ジーンと心に響いたもの。これが私の選考基準でした。しかしこれだけだと病気や死、重い経験を選びがちになる。そこで、「この本がめちゃくちゃ好きなんだ」という熱中度が相手に伝わるかも選ぶ尺度にしました。

一人ひとりが本とどのように関わって、どこに心を動かされたのか。その中心のはっきりした作品を選びました。訴えかけるものがある。キチンと伝わる。相手が「この本、読んでみようかな」と思える文章を選びました。