
活動内容
児童の主体性が育つ探究的な学びのサイクルとその活動
2017年に佐伯小学校と統合した旧山田小学校の校舎を保存するために、地域と学校が一体となり再活用に向けた取組を実施している。具体的には、再活用の見込みがなければ取り壊しの可能性が高いと知った閉校時の在校生を含む6年生が清掃活動を行い、毎年この思いを継いだ6年生が、地域の方と共に地域活性化に向けて取組を行う「ふるさと共同活動」が続いている。この活動をきっかけに、探究的な学習サイクルを通して、地域の社会問題を解決しようと主体的な力を養い、地域への愛着を深めることを目的とした地域学習が進められている。また、地域学習の深化に向けて、学期に2回程度教職員による座談会を設定している。年度初めには、総合的な学習の時間の全体計画や活動例をもとに、児童と共に教職員が学習計画を立てている。また、活動の目標をできる限り数値化することで、児童がその取組の達成状況を把握して、粘り強く課題に向き合うことができるようにしている。高学年では「片鉄の魅力調査隊」(2024年度)として、廃線となった片上鉄道や廃線後に整備されたサイクリングロードに関わる調査を行い、サイクリストに向けて資料館やカフェを開いた。2021年度から始まった地域をフィールドにした活動は、児童の「〇〇したい」という願いを活かし、教科横断的な学びへと変化したことで、教科の各単元の目的意識が明確になり、授業を深く学ぶ児童の姿が増えてきた。
【写真】
実際に自転車に乗り地域を肌で感じるフィールドワーク
審査委員より
統廃合された旧小学校の清掃活動からスタートした児童の活動に、上手に総合的な学習の時間を組合せ、地域住民との交流も積極的に進めている。低学年から地域活性化の課題意識を育てていく取組の裏側には、綿密な指導者の検討が拝察される。学びへの児童の意欲を継続させるために、数値目標を定めて役立たせている点は、初等教育において新しい試みだと考える。児童は中学校へ進学して、地域への視野が広くなる。小学校区で学んだことを核にした学びが広がる可能性を感じる。小中連携を深め地域の未来を創る人づくりにつなげてほしい。
プロフィール
和気町立佐伯小学校
【代表者】
山本 和宏
【役 職】
学校長
【活動開始時期】
2019年
【団体所在地】
岡山県和気郡和気町
【HP】
https://saeki-es.wake-schoolweb.jp/
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体68名(内訳)小学生68名
○指導者:内部23名、外部10名
○協力者(ボランティア等):20名
○開催ペースやクラス数:8クラス(6学級+2特別支援学級)




