博報賞

活動タイトル

3校の協働で積み上げる肢体不自由のある子どもの主体的な学びに向けた実践

広島県肢体不自由特別支援学校自立活動研究会(福山特別支援学校、広島特別支援学校、西条特別支援学校)

特別支援教育|奨励賞| キーワード:広島県
広島県肢体不自由特別支援学校自立活動研究会(福山特別支援学校、広島特別支援学校、西条特別支援学校)

活動内容

自立活動実践報告シートを活用した実践知の共有と蓄積

 広島県の3校の肢体不自由特別支援学校は、2013年から校内分掌に自立活動部を設けるとともに、3校が合同した「自立活動研究会」を立ち上げた。そして、自立活動研究会を中心に3校の自立活動部が連携して、教員の専門性向上と指導力の伝播に関する取組を10年以上にわたって積み上げてきた。自立活動研究会は、自立活動の指導の「流れ図」に指導の状況と成果、今後の展望を加えたA4版で両面一枚からなる「自立活動実践報告シート」を開発し、それらを各校の実践で活用するとともに、3校の事例を同じ様式を用いて実践報告会で共有している。実践知の共有や蓄積には、一人ひとりの実態をどのように捉え、なぜその指導目標を設定することにしたのか、設定に至る考え方を指導担当者間で共有していくことが重要となる。自立活動実践報告シートを共通のツールとした実践は教員の振り返りと気づきを促し、肢体不自由児の大きな変化をもたらしている。自立活動実践報告会で共有された事例は「自立活動実践事例集」としてデータベース化され、3校共通の教育資源として活用している。それらは、肢体不自由教育の経験の浅い教員の大きな手掛かりとなるだけでなく、県外からも多くアクセスされ全国の肢体不自由教育の専門性向上に寄与している。

【写真】
第13回研究会(2025年)

審査委員より

 肢体不自由教育は、肢体不自由と知的障がい、感覚障がい、医療的ケア等の重複化が進み、一人ひとりの多様な実態に対して専門性の高い指導が求められている。これまで培われてきた指導の知識や技術をいかに継承していくかも大きな課題となっている。広島県肢体不自由特別支援学校自立活動研究会の取組は、それらの課題に対して大きな示唆を与える実践である。持続可能な取組となるために、校内で組織的に取り組む体制づくりや、研究会を輪番で担当するなどの工夫も評価できる。肢体不自由教育を担う学校や学級で参考にしたい実践である。

プロフィール

広島県肢体不自由特別支援学校自立活動研究会(福山特別支援学校、広島特別支援学校、西条特別支援学校)

【代表者】
川口 辰之進

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2013年

【団体所在地】
広島県福山市

【HP】
https://www.fukuyama-sh.hiroshima-c.ed.jp/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:発表事例 これまでの児童生徒49名(1回あたり3名程度)
○指導者:内部80名
○開催ペースやクラス数:年1回