博報賞

活動タイトル

4コマ漫画指導案を活用した、授業改善につながる持続可能な研修の取組

豊岡 大画(太田市立城東中学校 教頭)

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|奨励賞| キーワード:群馬県
豊岡 大画(太田市立城東中学校 教頭)

活動内容

教師が授業を構造的に捉え、子どもが「する授業」へ

 授業を構想するうえで大切な学習指導案に4コマ漫画の形式を取り入れた「4コマ漫画指導案」を開発した。このことで、日々の授業を教科の目標を達成するために改善していくことや、より効果的で続けやすくすることで、教員の負担を減らすことができた。具体的な形式は、1コマ目に子どもが見通しをもつ姿、2コマ目と3コマ目に本時の授業の目標に向かう子どもの姿、4コマ目に子どもが学びを振り返る姿を描くようにした。子どもが学ぶ様子を絵と吹き出しで具体的に表現するとともに、教師の発問や働きかけ、環境構成や教材の工夫なども取り入れた。このことで、教師が授業を構造的に捉えられるようになり、教師が「させる授業」から子どもが「する授業」へと主体的・対話的で深い学びを促進した。さらに、期待する子どもの姿を明確にすることで、指導と評価の一体化による授業改善にも寄与した。
 このような授業によって、子どもが見通しをもって活動する時間が確保され、活動の振り返りでは自分の思いを自分なりに工夫して活動したことについての記述が多く見られ、満足度が高い様子が見られた。

【写真】
【事前】4コマ漫画指導案を用いた授業デザイン

審査委員より

 4コマ漫画指導案づくりは、教員の指導力向上、単元全体や本時を俯瞰的に見る目、授業を起承転結で捉えることなどの良さを明らかにした。また、4コマ漫画指導案を基にして質の高い授業を実践した。このことは、4コマ漫画指導案を構成する要素に、見方・考え方を働かせた学習活動、教師の発問、子どもの活動や発言など、指導に必要なことが端的に明示されているからである。このような分かりやすい指導案は、教育関係者以外の授業づくりの理解にもつながり、社会に開かれた教育課程の実現に向かうことが評価された。

プロフィール

豊岡 大画

【所属先役職】
太田市立城東中学校 教頭

【活動開始時期】
2015年

【所在地】
群馬県太田市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体70名(内訳)小学生30名、中学生30名、その他10名 ※1回の実践が平均30名(小学校、中学校)、特別支援学級では1~6名程度
○指導者:内部1名
○協力者(ボランティア等):40名
○開催ペースやクラス数:年数回(昨年度は40回以上)