博報賞

活動タイトル

キッズ落語プロジェクト

南房総三龍亭

日本文化・ふるさと共創教育|奨励賞| キーワード:千葉県
南房総三龍亭

活動内容

伝統的な言語文化が子どもの自己有用感を育む実践

 小学校教員が落語出前授業を通じてその魅力に出合い、教育意義を実感したことに本実践は始まる。実際に十数年にわたり落語家の社会人弟子として落語を習いつつ、落語を教育に活かす実践研究を積み、学校や地域に貢献すべく「南房総三龍亭」が設立された。活動の大きな柱が学校と地域を結ぶ「キッズ落語プロジェクト」である。子どもが伝統的な言語文化である落語に親しみ、演じることを通じて、地域とつながる中で他者と関わりながら主体的に人生を切り開いていく力の育成を目的としている。
 安房地域における小学校の子どもたちに、落語の出前授業を通じて、落語の基礎知識、演じ方の実習、落語の鑑賞体験を行っている。また、子どもたちや地域住民を対象とした各講座や公演活動の実践を通じて、継続的に落語に親しみ学ぶ機会を提供している。何事にも消極的だった子どもが落語を演じたことをきっかけに自信をもち、生活全般で見違えるほど明るく意欲的になる、落語で複数の人物を演じる稽古を通じて他者理解につながるなど、目覚ましい変容と成長がうかがえる。子どもの活躍もさることながら、本実践は大人が憧れる世界に向かう中で、子どもも共に憧れをもって日本の伝統文化に親しんでいく学びの構造がある。

【写真】
南総文化ホールでの特別公演「キッズ落語見参」

審査委員より

 落語などの伝統的な言語文化の学び手が地域文化の担い手として成長するプロジェクトである。元小学校教員が中心となる「南房総三龍亭」は、学校への出前授業に加え、地域での公演や夏休みの落語教室など多様な活動を展開し、子どもが落語や講談を通じて成長する姿を支えている。本団体が学校教育での経験を活かし、地域と学校を豊かな文化でつなぐことに貢献していることにも敬服する。子どもが一人で舞台に立つことの重みとやりがいの中で、地域の人々からの賞賛を得て自信をつけていく過程は意義深いものである。

プロフィール

南房総三龍亭

【代表者】
永島 俊之

【役 職】
代表

【活動開始時期】
2014年

【団体所在地】
千葉県南房総市

【HP】
https://www.facebook.com/sanryutei.wwwp/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体29名(内訳)小学生相当24名、中学生相当5名
○指導者:内部2名
○協力者(ボランティア等):10名
○開催ペースやクラス数:月1~2回