博報賞

活動タイトル

聞こえない大人(ろう者)がろう児に手話で自己表現する場を提供する

特定非営利活動法人 しゅわえもん

特別支援教育|功労賞| キーワード:東京都
特定非営利活動法人 しゅわえもん

活動内容

子どもの笑顔につながる手話で育むことばと心

 聞こえない子ども(ろう児)が、人と関わり社会の中で生きていくためには、手話を習得し、言語の基盤を築くことが重要な課題となっている。しゅわえもんは、課題を解決するために、19年にわたり「ことばの力」を育む取組として、聞こえない大人(ろう者)が聞こえない子どもに手話で自己表現する場を提供してきた。「絵本と遊びイベント」は、イベントを通じてことばの理解を広げ、きょうだいや保護者との活動を通して、自分を表現する機会としている。「デフ・メロウ・キャンプ」では、手話で話す仲間や大人と出会い協働することで、楽しみながら手話による話し合いを体験する。「ろう学校等での絵本読み語り派遣」では、学校などで手話による絵本の読み語りを行い、子どもが手話の紹介と視覚的表現を直接見て、スタッフとのやり取りを通じて手話やことばの世界を広げる。「しゅわえもんニュース」配信は、手話やことば、知識を増やすだけでなく、手話を知らない子どもや大人にも理解の機会を提供している。こうして聞こえない子どもたちは、同じ困難を経験し、乗り越えてきた聞こえないスタッフとの交流を通じて具体的な解決方法を学んでいる。しゅわえもんは聞こえない子どもたちが、輝いて自分を表現できる人へと成長することを目指す取組を、長年にわたり継続してきた。

【写真】
SDGsイベント 絵本読み語りワークショップ

審査委員より

 聴覚に障がいのある子どもには、言語習得においてさまざまな課題があることが以前から指摘されており、そうした子どもとその家族を支援するために、2005年から19年間にわたり、継続的に取り組んできた活動である。人工内耳や補聴器を使って聴覚を活用する聞こえない子どもの言語習得において、聞こえる保護者がその支援に十分な役割を果たすことは、決して容易ではない。主なスタッフである聞こえない大人がロールモデルとなるこの活動は極めて重要であり、子どものことばの獲得に大きく貢献している点が高く評価された。

プロフィール

特定非営利活動法人 しゅわえもん

【代表者】
野﨑 誠

【役 職】
代表理事

【活動開始時期】
2005年

【団体所在地】
東京都杉並区

【HP】
https://www.shuwaemon.org/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体①絵本と遊びイベント20名 ②デフ・メロウ・キャンプ30名 ③都内ろう学校で絵本読み語り派遣10名 ④しゅわえもんニュース7,100名(2025年6月7日現在YouTube登録数)(内訳)小学生相当
○指導者:内部②デフ・メロウ・キャンプ15名 ③都内ろう学校で絵本読み語り派遣2名
○協力者(ボランティア等):①絵本と遊びイベント10名 ④しゅわえもんニュース3名
○開催ペースやクラス数:①絵本と遊びイベント年3回 ②デフ・メロウ・キャンプ年1回 ③都内ろう学校で絵本読み語り派遣年3回以上 ④しゅわえもんニュース週2回