博報賞

活動タイトル

外国ルーツの子どもたちの全人的成長を目指した地域での活動

地球っ子グループ

国際文化・多文化共生教育|功労賞| キーワード:埼玉県
地球っ子グループ

活動内容

「できること」を大切にして形成されるアイデンティティー

 地球っ子グループは20年以上、外国にルーツをもつ子どもたちが、十分な日本語学習ができる場所を提供し、彼らが安心して共に語り集えることを大切にした活動に取り組んでいる。
 ただ単にその場限りの支援を行うのではなく、一人ひとりの「できるようになったこと」「できるようになりたいこと」に目を向け、ポートフォリオ的資料を活用しつつ、子どもたちが自分自身の具体的な成長を視覚的に自覚し、自信がもてる実践に重点を置いている。特に、子どもたちの「やりたい」と思う気持ちを尊重した活動の場づくりは秀逸だ。例えば、「地域の役に立ちたい」という気持ちには、ツル取りボランティアから多くの地域の方々に感謝されるという、貴重な機会を設定している。
 さらに、学習指導においても、既存の教材やプログラムではなく、子どもたちの主体性を尊重し、学びへのモチベーションを高めている点も大変興味深い。「考える力」を意識した取組は、基本的アカデミックスキルに加え、企画力や話し合いの力、協力などの多くの学びが得られる場となっている。
 日本語の習得に加え、自己肯定感や地域との協働などの面においても、子どもたちは自信をもち、この地球っ子グループから世界に羽ばたいている。

【写真】
ボランティア活動「ツル取りボランティア」の様子

審査委員より

 日本語学習が必要な子どもたちのみならず、保護者やOB・OGも含めたサポートが丁寧に提供されている取組には、目を見張るものがある。特に日本語学習に必要な教材に関して、子どもたちの個性やバックグラウンドに応じて形式陶冶を念頭に置き、創意工夫を凝らしつつオリジナリティあふれる検討がされている。また、学習を進める子どもたちのモチベーションを維持させるべく、仲間や地域との関わりの中で「学びたい!」「分かった!」といった経験が蓄積されるような教育実践が重視されている。

プロフィール

地球っ子グループ

【代表者】
髙栁 なな枝

【役 職】
代表

【活動開始時期】
2003年

【団体所在地】
埼玉県さいたま市

【HP】
https://chikyukko.github.io/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体13名(内訳)小学生相当5名、中学生相当4名、その他4名
○指導者:内部3名
○協力者(ボランティア等):3名
○開催ペースやクラス数:第2・第4土曜日の月2回:午前・午後の2クラス、第1・第3土曜日の月2回:午後クラス、月1回日曜日のクラス