博報賞

活動タイトル

母語教育で「豊かな心」と「考える力」を、日本語教育で「生きる力」を

学校法人 ムンド・デ・アレグリア学校

日本語教育|博報賞| キーワード:静岡県
学校法人 ムンド・デ・アレグリア学校

活動内容

心を育て思考を育てる母語教育と社会参加を実現する日本語教育とを両輪とする教育活動

 南米系外国人学校としてモデルとなり得る優れた実践であり、子どもの学力、日本語力を育て、社会参加への道を切り開いている点で高く評価することができる。
 日本語以外を母語とする子どもが日本社会で居心地よく生きるために、ムンド・デ・アレグリア学校は日本語を身につける過程で、思考力や感情の母体となる母語の教育が重要であると考えた。自分が自分であることを確かめながら、他者への共感を覚える受容器をその人の心の中にかたちづくるのは、紛れもなく母語だという認識がそこにはある。母語による教育と日本語教育の両方を丁寧に行うことにより、子どもが自らのアイデンティティーを確立し、学力や日本で生活するための適応力を身につけることが可能になっている。
 時に存続の危機に見舞われながらも多くの人の理解と協力を得て、現在では地域に根づいている様子がよく分かる。この実践には国語教育の立場から学ぶところが極めて多い。一人ひとりの母語の学びと日本語の学びを充実させるために、ひらがな表や漢字指導法などの多彩なメソッドが生み出されている。日本語が分かったという笑顔が見えるようだ。ことばの学びにつまずきを覚えている子どもが、それを乗り越えて豊かで確かなことばを手に入れることを後押しする知見に満ちている。

【写真】
地域の一員として社会参加(ムンド式統合政策)

審査委員より

 母語による教育と日本語教育の両方を丁寧に行うことにより、子どもが自らのアイデンティティーを確立し、学力や日本で生活するための適応力を身につけることが可能になっている。存続の危機に見舞われながらもさまざまな立場の人々からの協力を得て、現在では地域に根づいている様子がよく分かる。とても素晴らしい実践で、国語教育の立場からも学ぶところが極めて多い。子ども一人ひとりの母語の学びと日本語の学びを充実させるために、ひらがな表や漢字指導法などのメソッドが多彩に生み出されていることを高く評価することができる。

プロフィール

学校法人 ムンド・デ・アレグリア学校

【代表者】
松本 雅美

【役 職】
理事長

【活動開始時期】
2003年

【団体所在地】
静岡県浜松市

【HP】
https://www.mundodealegria.org/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体215名(内訳)小学生56名、中学生54名、その他105名
○指導者:内部30名、外部2名
○開催ペースやクラス数:幼稚園~高校3年生まで15クラス、月曜日~金曜日1時間目~7時間目(各50分授業)