郷土資料集「きらり☆きたあきた」の作成・推進・活用によるふるさと教育の充実
小林 陽介(北秋田市立義務教育学校阿仁学園 校長)
日本文化・ふるさと共創教育|博報賞| キーワード: |秋田県
活動内容
「知れば、もっと好きになる」郷土資料集を通じたふるさと共創教育の可能性
少子高齢化と人口減少が進む地域において、ふるさとを支える人材育成はどうあるべきか。一つの答えが、本実践、郷土資料集の作成(2年)、推進(2年)、活用(3年)、計7年間の取組にある。郷土資料集「きらり☆きたあきた」は、児童生徒が減少し小・中学校の統廃合が進む北秋田市において、住民からの教育への期待に応えるべく、地域への愛着や誇りをもつ人の育成を願い作成された。地域の歴史や文化にまつわる豊かな項目から成り、小中学校9年間、全教育活動で活用できる魅力的な内容になっている。教科書と雑誌の中間をイメージし、デザイン性を重視した紙面は、児童生徒はもちろん、大人にも親しみやすく手にとりやすいものである。郷土資料集をもとに家族の会話も弾むことだろう。
本実践には資料集作成後の具体的な在り方にも学ぶ点が多々ある。受賞者は、教育委員会所属当時から「作成」や「推進」に関わり、現在は校長として郷土資料集を通じ郷土愛を発信する「活用」の取組に邁進している。地域の魅力を知れば、自ずと誰かに伝えたくなる。学びが満ちると溢れ出すような「アウトプット主体のふるさと教育」は、児童生徒の郷土学習を通じた表現が地域に展開し、さらなる行動力を高める好循環を生み出している。
【写真】
郷土資料集で調べた歴史、偉人、昔話を劇にして発表
審査委員より
地域の歴史・文化・魅力を子どもや大人にも親しみやすく郷土資料集として編纂した価値ある取組である。資料集の作成、推進、活用と7年間の経過を追ってその時々の実践内容が明確に伝わってきた。多くの郷土資料集は小学校中学年で活用されているが、「きらり☆きたあきた」は小中学校9年間を想定、あらゆる教育活動における児童・生徒の探究心を支え、学びを広げ深める力が宿っている。北秋田への郷土愛が詰まった資料集を通じて、子どもが地域を知ることで前のめりに学ぶ様子は魅力的だ。
プロフィール
小林 陽介
【所属先役職】
北秋田市立義務教育学校阿仁学園 校長
【活動開始時期】
2018年
【所在地】
秋田県北秋田市
【HP】
https://www.kumagera.ne.jp/anigakuen/index.html
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体60名(内訳)小学生35名、中学生25名
○指導者:内部25名、外部5名
○協力者(ボランティア等):10名




