博報賞

活動タイトル

銀上地域の自然・文化が紡ぐ教育の再生
~山村留学制度と共に歩んできた30年の取組~

西都銀上学園 西都市立銀上小学校・銀鏡中学校

日本文化・ふるさと共創教育|博報賞| キーワード:宮崎県
西都銀上学園 西都市立銀上小学校・銀鏡中学校

活動内容

「地域のことは地域の人に聞く」をモットーに山村と密接な連携を深めた30年間

 1995年から子どもの減少対策として山村留学制度を始めて30年間。途中子どもたちが集まらず中止していく地域が多い中、県内唯一の山村留学生として17名(小学生11名中8名、中学生9名)が、この西都銀上学園の小中学校で学んでいる。
 この学園に集まる児童生徒はそれぞれ事情がある。その一人ひとりを西都市の豊かな自然が温かく包み込む。地域の協力を得て、山菜採りや田植え、はちみつ採りや稲刈り・芋掘り体験など自然体験活動に生き生きと子どもたちは取り組んでいる。PTA主催の魚のつかみ捕りやゆず採り、餅つきなど教育課程外の行事も多い。また500年以上前から伝わる伝統芸能の伝承活動を学習に組み込んでいる。楽しさや達成感・充実感をこうした活動を通して味わうことで、子どもたちは自ら主体的かつ積極的に取り組んでいる姿が見受けられる。山菜採り体験で地域の方から食べるとこの山菜はどういう味か疑問に答えてもらったり、例大祭で奉納するため銀鏡神楽保存会の方々からの直接指導を受けたり、子どもたちの願いや想いは地域の方との交流を通して、活動の中でしっかりと反映されている。探究学習を通して地域の活性化に貢献したいという中学生の姿に、教育の成果がしっかりと表れている。

【写真】
地域の伝統芸能「銀鏡神楽」を奉納している様子

審査委員より

 県内唯一の山村留学特認校として17名の児童生徒を受け入れている。穏やかな山村地域の中で、地域の素材や人材を有効活用しようと工夫している。子どもたちは、はちみつ採りや田植えなどの体験学習から始まり、伝統芸の伝承活動に向き合い、文化祭で披露している。この地域の良さをからだで丸ごと味わっている。責任をもって役割を果たし、地域の方に喜んでもらう。こうした達成感の積み重ねによって、子どもたちに何でもできる安心感や自分を肯定できる自信を与えてくれる環境が、山村留学の銀上学園には用意されている。

プロフィール

西都銀上学園 西都市立銀上小学校・銀鏡中学校

【代表者】
横山 一憲

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1995年

【団体所在地】
宮崎県西都市

【HP】
https://cms.miyazaki-c.ed.jp/4509/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体18名(内訳)小学生11名、中学生7名
○指導者:内部14名、外部10名
○協力者(ボランティア等):20名