博報賞

活動タイトル

つながる学校
~社会に開かれた学びの実現へ~

磯部 真代(浜松市立蒲小学校 教頭)

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:静岡県
磯部 真代(浜松市立蒲小学校 教頭)

活動内容

コミュニティ・スクールとして、学校図書館から社会に開かれた学びあいの場をつくる実践

 学校図書館を起点として、学校を子どもだけでなく、教職員や地域の人々の学びの場、交流の場をつくり出し、地域に開かれた文化的拠点にすることを試み続けてきた実践である。
 磯部真代教諭は、「学校図書館は、常に新しいアイデアで成長し続け、積極的に未知の世界とつながり、自発的に学ぶことの楽しさ・喜びを体感することのできる無限の可能性をもった場所である」という認識を、自分の活動の軸としている。このしっかりした理念を軸として、異動した各学校で、司書教諭・教務主任・教頭などその時々の立場から、各学校の実情に即した柔軟な実践を自在に展開している点に、実践の確かさと魅力を読み取ることができる。
 「つながる学校図書館プロジェクト」では、「ブックカフェ」 「わくわくライブラリー」 「動く図書館」を連動させて、学校図書館を子どもが集う、居心地のよい学びの場にすると共に、「学びのマップ」などで授業での学習にもつなげた。また、「職員版ブックカフェ」を展開し、教職員の研修や地域人材を招いての学習会などを実現した。プロジェクトのコンセプトを発展させて、さらに、地域の人々に対しても、「つながる学校」のプロジェクトなどを通して、地域の人々が学校づくりに参画する意識を高めてコミュニティ・スクールとしての機能を高めている。

【写真】
ブックカフェ「夢を描こう!アナウンサー講座」の様子

審査委員より

 価値が多様化し社会が分断される今の世界では、図書館が人々の対立の拠点になる傾向が生じている。アメリカでは、右派左派両方から禁書に指定された本が増え、図書館が空っぽの学校も増えている。日本でも、人手不足で機能不全の学校図書館が増えている。この時代に、学校図書館を知的交流の拠点としてよみがえらせ、子ども・教職員・地域の人々が学び憩い集う場にする活動には、大きな価値がある。また異動先の各学校において、与えられた立場から、一貫した活動を継続している点にも理念に裏打ちされた教育実践の確かさを読み取れる。

プロフィール

磯部 真代

【所属先役職】
浜松市立蒲小学校 教頭

【活動開始時期】
2019年

【所在地】
静岡県浜松市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体30名(内訳)小学生30名 ※年度・企画により異なる
○指導者:内部2名、外部1名
○協力者(ボランティア等):130名 ※これまでに協力いただいた保護者・地域の方々
○開催ペースやクラス数:年度・企画により異なる