
活動内容
単発の体験企画よりも、安心して過ごせる日常的な場づくりこそが教育という発想の転換
この団体は、母親が中心になりがちなPTA活動の中で、父親も積極的に関わることを促す目的で設立された。当初は、遠足やキャンプなどの体験活動を子どもに提供する活動をしていたが、そのうち「体験は提供できても、本当に教育につながっているか」という疑問に直面したという。
そこで、子どもが育まれる教育に必要なのは、子どもと地域の大人が知り合い、名前を呼びあえる関係性をつくることではないかと気づき、過度な負担感を感じずに継続できるお泊り会を、毎月実施することにした。興味深いのは、発想の転換によって、大人はあえて何もプログラムを準備しないことにして、「何にもしない合宿」と名づけて、毎月一回子どもたちが学校に集まって自由に過ごせる場を提供するお泊り会を継続することになった。夕食と入浴を済ませた子どもたちが18時半以降に集合し、21時の消灯まで体育館などで自由に過ごし、翌朝も遊んだあと7時半に解散して、朝食は各家庭で取るという合宿である。
子どもたちが自分の過ごしたいように過ごせる場が継続された結果、子どもと大人との信頼関係が育ち、子どもからは「〇〇をやってみたい」と声が上がって実施に至ったり、準備や片づけも子どもたちが行うようになっている。
【写真】
集合写真
審査委員より
「何にもしない」活動を継続するという点が斬新で、独創性がある。年に一回のキャンプよりも、毎月のお泊り会によって、互いに顔の見える関係、名を呼びあえる信頼関係を長期的に醸成することの方が重要という理念は、非常に大切である。異学年の子ども同士のタテの関係、子どもと地域の大人が名前を呼びあえる関係、地域の大人同士の関係が深まり、地域のコミュニティが形成されることは、意義深い。活動を伝える写真には、子どもたちの自然な笑顔がたくさん輝き、子どもが自分の過ごしたいように過ごせている場の雰囲気が伝わってくる。
プロフィール
裾野市東地区おやじの会
【代表者】
小田 圭介
【役 職】
会長
【活動開始時期】
2012年
【団体所在地】
静岡県裾野市
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体100名(内訳)小学生相当45名、中学生相当45名、その他10名
○指導者:内部5名
○協力者(ボランティア等):2名
○開催ペースやクラス数:毎月(8月を除く)




