博報賞

活動タイトル

八代の自然を守り継承する八代っ子の育成
~ナベヅルの保護活動を通して~

周南市立八代小学校

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:山口県
周南市立八代小学校

活動内容

自然保護を通じてふるさとへの誇りと愛着を育む実践

 かつては、たくさんの鶴が日本各地に渡来してきたが、今では希少なことである。八代地域では、毎年渡来するナベヅルへの愛情から、餌を与えるなどして保護し守り続けてきた。八代小学校の児童は、30年以上前から地域と共にナベヅル保護の精神を代々受け継ぎ、年間を通してさまざまな活動を続けている。保護者や地域の方が参加する中、児童がオリジナルの合唱奏を披露するなどしてナベヅル渡来を願う行事「つるよ来い来い集会」の開催、ナベヅルを観察する人々が気持ちよく過ごせるよう「つるのねぐら整備」への参加を通じた清掃活動、ナベヅルが八代に初渡来した日から5・6年生が毎年「つる日記」を作成・発行し、八代地域の全戸に配布すること。地域の方も観覧に訪れる「やしろフェスティバル」にて児童らが生活科や総合的な学習の時間に行ってきた観察や調査による研究発表などである。いずれもナベヅルにまつわる学びや行事の中で、地域の方と触れ合い、共に活動し、ふるさとへの誇りと愛着が形成されていく。
 八代の自然保護を児童に託すうえで、大規模なナベヅル保護を行う鹿児島県出水市への視察(小学校6年間の中で一度は視察に訪れる)も行っている。その運営は地域の大人が担うなど、地域の力がこの実践を支えている。

【写真】
地域の方と一緒にデコイを設置し「つる来いコール」

審査委員より

 ナベヅルの保護を中心として総合的な学習の時間や特別活動など、カリキュラムを柔軟に組んで学びが拡張していく。水辺の生態系に関する知識を得ながら水質調査、環境整備、つる日記の作成、それらの活動を周知する発表の場など、ナベヅル保護に関する探究的な学習が充実している。学校生活の軸に、また、子どもの心にナベヅルがいて、ときに、見える/見えないナベヅルと対話をしながら学びが展開していく。子どもが保護活動に取り組むことは地域住民にとって明るい希望であり、地域活性化につながる点も高く評価された。

プロフィール

周南市立八代小学校

【代表者】
片山 和典

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1990年

【団体所在地】
山口県周南市

【HP】
https://fa.fureai-cloud.jp/yashirosho/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体12名(内訳)小学生12名
○指導者:内部7名、外部3名